1998年（平成10年）、「ブライダルプロデュース」という言葉がまだ一般的に広まっていなかった時分に、私・藤田徳子は、株式会社フェアリー・テイルを創業しました。それから27年、数多くのカップルとの出会いを通じて、カップルの「想い」をどのようにカタチにするかを常に考え続けてきました。お二人の大切な瞬間を、より素晴らしいものにするために、ひとつひとつの結婚式に心を込めてプロデュースしています。

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2010年頃から、新郎新婦またはどちらかの故郷に帰って結婚式を挙げる「ふるさとウェディング」を提唱し、香川県高松市の栗林公園や高松城跡、瀬戸内海の直島や小豆島など、四国・香川県、瀬戸内地方の魅力的な場所で、全国から訪れるカップルに、新しい結婚式のスタイルをプロデュースしています。

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「ふるさとウェディング」は、地元の魅力を再発見し、特別な場所で結婚式を挙げることで、ゲストにも思い出深い体験を提供できます。家族や友人たちとの絆を深めるとともに、その土地の文化や風景に触れる機会にもなります。

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栗林公園や高松城跡に代表される日本らしい文化や歴史的背景、また瀬戸内海の島々が持つ地域特有の美しい景観や自然美を大切にした結婚式のスタイルは、日本人カップルだけでなく、海外からの「国際結婚式」を希望するカップルにも非常に魅力的な選択肢となっていて、ここ数年、フェアリー・テイルでは多くの「国際結婚式」のプロデュースを手がけています。

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母国が異なるふたりの「国際結婚式」を日本で挙げるならば、ぜひ「日本らしい」特別感や、「地域らしい」伝統文化を演出に取り入れたいものですね。
本記事では、ブライダルプロデューサー歴27年の藤田徳子が担当した、国際結婚カップルの実例をご紹介します。

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おふたりとも、世界を航行する豪華客船のクルーのため、勤務中半年ほどは、洋上にいらっしゃいます。また、洋上勤務中は、オンラインでの打ち合わせもなかなか難しい状況が続きました。ようやく、洋上勤務の合間の貴重な休暇のタイミングで、おふたり揃って来日してくださりましたが、次のリアル（直接お会いして）での打ち合わせは、結婚式直前。新婦は1ヶ月半ほど前に、新郎は3週間前ほど前に、来日。短期間で、衣装合わせ、ヘアメイクリハーサル、進行や演出の打ち合わせ、装花やウェディングアイテムの準備などが進められるように、予めフェアリー・テイルにてスケジュールを組ませていただきました。

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また、新郎のご家族やご友人も、イタリアやアメリカから、初めての来日。到着するまで心配でしたが、様々な事情を無事にクリアされ、予定通り全員お揃いで結婚式当日を迎えることができました。

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天気予報では、雨天が心配されていましたが、フェアリー・テイルがプロデュースする結婚式の当日は、いつも晴天。

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早朝から花嫁支度を済ませ、園内の観光客が少ない時間帯にフォトウェディングをスタート。神前結婚式の会場となる掬月亭での撮影も。イタリア人の新郎にとっては、正座はキツカッタですね。

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「海外からのゲストに日本の桜を見せたい」とのおふたりの思いで、結婚式の開催を3月末に決定。ところが、この年に限って、直前まで桜の開花が見られずヤキモキ、ヒヤヒヤし続けました。
なんと！見事に！、結婚式2日前に桜が開花。おふたりの思いが叶いました。柔らかい桜の花が枝先にほころび始め、春の訪れを感じさせる美しい景色が広がっていました。

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おふたりが念願された「純和風の演出」。豪華客船のクルーというお仕事柄か、中でも栗林公園で和船に乗ることをとても楽しみにされていました。

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栗林公園を代表する景観の一つ、飛来峰（ひらいほう）からの眺めは、紫雲山を借景にして、南湖にかかる美しい偃月橋（えんげつきょう）。一般来園者が少ない朝早い時間帯に、おふたりが立ちます。咲き始めた桜も写りこみ、幸せそうに微笑み合うおふたりが印象的です。

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ゲストは、神前結婚式の会場となる掬月亭に集合です。まずは、ウェルカムドリンクとして、抹茶と季節のお菓子でお接待させていただきました。

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ゲストを抹茶と季節のお菓子でおもてなししている間に、新郎新婦は控室で「誓詞」に署名、「誓詞奉読」の練習を行い、挙式に向けた準備を整えます。イタリア人の新郎も、筆を使って、器用に自身の名前を書かれました。

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神前結婚式の進行、式次第は、下記の記事で詳細にご紹介しています。新郎と新郎のご家族の母国語であるイタリア語で、式次第をご用意しました。

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神前式挙式の誓詞奉読（誓詞奏上）は、これから先の結婚について、新郎新婦が誓いを読み上げる儀式のことです。そのため、ふたりが出席者に自らの意思を伝えることが重要です。イタリア人のご家族を気遣って、まず、新婦が誓詞の日本語を英語に訳し、新郎が英語をイタリア語に訳し、多言語で述べました。

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香川県の獅子舞は、讃岐獅子舞と呼ばれ、県内各地で受け継がれている伝統芸能です。おふたりの門出を祝して、新婦のご実家のご近所の内濱太鼓台獅子組が駆けつけてくれました。獅子舞には、厄払い、無病息災、家内安全、魔除け、豊作などの意味が込められていて、お正月やお祭りなどに舞われることが多く、結婚式にはふさわしい縁起の良い演出です。

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香川県の花嫁にとって、欠かすことのできない“嫁入り道具”の一つとされる花嫁菓子「おいり」は、日本全国でも他の地域には見られない独特の風習です。「おいり」には元々、「心を丸く持って、まめまめしく働きます」との意味が込められていて、花嫁さんからのお土産として、近所の人たちや花嫁を見に来た子どもたちに配ったりされていました。
栗林公園で行われた国際結婚式、イタリア人の新郎の紋付袴姿、国際色豊かなご家族の幸せな様子を、目を細めながら見学されていた一般の観光客の皆さんにも、花嫁菓子「おいり」が、御裾分け（おすそわけ）されました。すれ違う人々にまで幸せが広がる、「ふるさとウェディング」です。

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国際結婚式では、海外からの出席者も多数いらっしゃり、日本ならでは、ご当地ならでは文化や伝統芸能を演出に取り入れることで、思い出深い一日になることは間違いありません。海外から出席する家族や友人にとって、来日は「ウェディングツーリズム」。つまり、結婚式に出席することをテーマにした旅行。日本の伝統文化や生活文化に触れていただく絶好の機会としたいものです。

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