春爛漫!栗林公園を歩いてみよう!その1(香川県栗林公園 商工奨励館)
「香川県栗林公園 商工奨励館」
香川県在住の方でも、
なかなか聞きなれない方もいらっしゃるのではないでしょうか?
"お庭の国宝"と言われる「特別名勝 栗林公園」の中心部、
ちょうど"南庭"と"北庭"の境の広場に立つ、
栗林公園のランドマーク的な建物です。
江戸時代、栗林公園が「栗林荘」と呼ばれ、
高松藩主の下屋敷として利用されていたころ、
この場所に、藩主の別荘・桧御殿がありました。
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さて、「商工奨励館」には、
あまり知られていないステキなエピソードがありますので
すこしご紹介させていただきます。
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廃藩置県後の明治時代、
第6代香川県知事に着任した徳久恒範氏は、
もともと芸術・文化に精通しており、
香川県民の手先の器用さをいち早く見出し、
香川県の経済振興の要として、
「工芸」を掲げました。
また、工芸教育を普及するため、
徳久氏は、前任地の富山県から納富介治郎氏を招聘し、
香川県工芸高校(現・香川県立高松工芸高等学校)の設置に努め、
納富氏を初代校長に選任しました。
更に、産業振興の拠点の設置を計画し、
明治32年、県立公園として一般公開された栗林公園の中央部、
旧藩主の別荘・桧御殿の跡地に、「香川県博物館」を建立しました。
この「香川県博物館」こそ、現在の「商工奨励館」であります。
建築デザインは、
帝室技芸員(現在でいうところに人間国宝)である
伊藤平左衛門氏によって、
平等院を模した近代建築様式で仕上がりました。
「香川県博物館」は、まさに「香川県の近代化」(第3次香川県)
の幕開けの象徴でありました。
当時、館内には、
県内の産物が美術品等と共に常時陳列され、
国内外からの来館者に対して、香川県の工芸品の高い技術を
アピールしていました。
その後、「香川県博物館」は、
大正時代には「香川県商品陳列所」、
昭和になってからは「香川県商工奨励館」と、
名称こそ変遷してきましたが、
明治、大正、昭和、そして平成へと、時代をつなぎながら、
産業としての「工芸」、
文化としての「芸術」の集約拠点として、その役割を担ってきました。
まさに「アート県・香川県」の所以は、
この「香川県栗林公園 商工奨励館」にあるといっても
過言ではないのではないでしょうか?
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現在改修中の栗林公園商工奨励館が、
このたび平成27年8月1日(土)にリニューアルオープンします。
北館はレセプション会場として、結婚式をはじめとした、
パーティーや式典、各種宴会や展示会などに
幅広くご利用いただけるようになります。
リニューアルオープンにともない、
私たちフェアリー・テイルといたしましても、
この建物の歴史的、文化的役割を踏まえながら、
新しい次代へと繋がるポジションを具現化したいと考えます。
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この春、栗林公園を訪れられた際には、
江戸~明治~大正~昭和~平成にまたぐ
ロマンを感じながら歩いてみてください。