3密を避けてオンライン結婚式
高松城跡玉藻公園で挙式 参列できないできない親族・友人と双方向会話を実現
新型コロナウイルス感染拡大で、多人数が一堂に会する結婚式の中止や延期が相次いでいます。フェアリー・テイルでも、多くの結婚式が、キャンセルや延期、規模縮小になっています。
こうした中で、先日、史跡高松城跡玉藻公園披雲閣で神前結婚式を予定していたカップルから、「今のタイミングを逃すともう結婚式が挙げられない」との切羽詰まった相談を受けました。
そこで、「3密」を避けて、参列者を両親だけに絞り、披雲閣大書院の窓や扉を開放した中で、神前式を執り行うことを提案。挙式の様子を、動画で生配信。さらに挙式後は、披露宴の代わりにオンライン会議アプリ(Zoom)を使い、会場から県内外の約20か所をつないで親族・友人と双方向で会話や祝福のメッセージ交換できるようにし、香川県で初めてといえる「オンライン結婚式」が実現しました。
ここがポイント!「オンライン結婚式」(その1)
■会場は「史跡高松城跡玉藻公園・披雲閣」
神前式会場は「3密」を回避
- 出席者は両親のみ
- 窓や扉を開放
- スタッフ全員マスク着用の上、ソーシャルディスタンスを確保
- 消毒液を設置
ここがポイント!「オンライン結婚式」(その2)
■“Zoom”を使った「オンライン神前結婚式」
- 県内外の約20か所をつないで、親族・友人が「参列」
- 杯を交わして絆を深める「固めの杯」では、画面ごしに親戚らも一緒に杯を傾けた
- 現地で参列した両親が、神と人の意をつなぐ役目をする玉串(四手を付けた榊)を拝礼する際には、オンラインで参列した親族も「二礼、四拍手、一例」の作法で合わせた
ここがポイント!「オンライン結婚式」(その3)
■オンラインで「全員集合写真」
- 新郎新婦と両親での家族写真を撮影する様子を「参列者」に見てもらう
- 家族写真の後は、タブレットを新郎新婦が持ち、「オンライン参列者」を交えて、「全員集合写真」
ここに苦労した!「オンライン結婚式」
■オンライン参列者に事前告知
オンラインで参列者は、親族、友人など、居住地も県内外に点在している。また、普段、パソコンやスマホ、タブレットなどに慣れていない高齢者もいると聞いていた。
そのため、オンライン会議アプリ(Zoom)の設定、事前の動作確認など、高齢者や不慣れな方々にもわかりやすいように、周知事項をまとめ、前日までに連絡した。「固めの杯」用の飲み物を各自用意してもらうこと等、神前挙式の準備物についても、予めお知らせしておいた。
■Wi-Fi環境整備
今回、結婚式会場になったのは、「史跡高松城跡 玉藻公園」。
一般的な結婚式場のようなオフィス環境と異なり、Wi-Fi事情が、かなり厳しかった。
長時間の中継で安定的に通信できるように、アプリケーションの選定やWi-Fi接続など、事前に何度もテストを行った。
■3密にならない結婚式
「3密」を避けるために、現地での参列者を両親だけに絞った。スタッフも少人数で運営できるよう、現地での作業を最低限にする工夫を行った。
オンライン参列者の喜びの声
新婦の祖父・杉本利正さん(93歳)
「孫のきれいな花嫁姿を見れて本当に良かった。」
新婦の父によると
「当初の通りの結婚式を行っていても、祖父は足腰は弱くなっているため欠席予定だったので、画面を通して見れて、喜んでいると思う。」
「オンライン結婚式」を挙げた新郎新婦の感想
新郎:三木一矢さん
「普段、Zoomなどオンラインアプリに触れる機会がないので、『オンラインで結婚式をしよう!』と藤田さんに提案された際には、想像もできなかった。
画面越しに会話もでき、この場にはいなかったけど、僕たちの結婚を祝ってくれる気持ちが伝わってきて、とても嬉しかった。『つながった』って感じです!」
新婦:杉本真澄さん
「コロナの拡大が徐々に進むにつれて、披露宴を諦めて親族だけの挙式だけにして、結局参列者は両親だけとなり、かなりテンションが下がっていた時、藤田さんから『オンラインで皆さんに参列してもらいませんか?』と提案されました。
『みんなにどうやって伝えたらいいんだろう?』とか戸惑いばかりでしたが、藤田さんが事前の案内なども丁寧にしてくれたので、みんなZoomをつなげることができました。
画面に友だちが見えて、祝福を言葉をかけてもらえた時には、感激して涙が止まりませんでした。新型コロナの大変な時なのに、みんなが喜んでくれて、うれしく思っています。」
プロデューサー藤田徳子より
結婚式は、結婚をするカップルはもちろんのこと、親族や仲間たちにとっても、人生最良の日で、大切なセレモニーです。
コロナで結婚式を諦めるのではなく、安全を確保したうえで工夫を凝らせば、一生思い出に残る特別な結婚式も可能であると考えます。
印象的なのは祭主(宮司さん)が当日仰った言葉。
「とても密な結婚式でした。作法や儀式を重んずる立場にありますが、作法以上に人々の心がここに密に集まりました」と。
大勢の人が集うもの、親密な距離感で生まれる幸せの共有など、結婚式の従来の価値観とはまったく異なるものでしたが、今回、私自身、「本当の良い結婚式とは何か?」を見つめる機会になりました。
当初、今回の結婚式では、当初、披露宴も予定されていました。
新型コロナウイルスの感染拡大の影響のもと、大人数が会する結婚式が悪のように扱われるようになり、ブライダル業界に関わる者の一人として心を痛めていました。
そんな折、お二人から「親戚が来れなくなったんです」、「食事会をやめようと思うんです」、「兄弟の出席を諦めることになりました」、「両親だけは来てくれるって言ってます」と、相談を受けていました。
世の中の流れと共に、どんどん状況が悪化しても、いつも前向きで、明るく、爽やかな花嫁さんに、励まされました。
「結婚式は決して悪いことではない」、「今だからできること何かしてあげたい」と、ふとオンライン結婚式を思いつき、提案しました。
幸いなことに、私の仲間たちも、業者のみなさんも、快く協力してくれることになり、「オンライン結婚式」が実現できました!
半ば、私の強引さで進めてしまったかと、直前になって戸惑いもありましたが、花嫁さんが涙する姿に、暗いニュース多い日々、久しぶりに、「本当の幸せ」を感じました!
離れて暮らす親族や友人の方々とも、同じ時間を共有し、幸福を分け合うことができる「オンライン結婚式」
今後、withコロナ、afterコロナの新しい時代に向けて、結婚式のひとつの選択肢になるかも知れません。
今まで、コストの都合で、大勢が出席する結婚式を好まなかった方々も、オンライン結婚式であれば、選んでいただけるかもしれません。
今後、フェアリー・テイルでは、「オンライン結婚式」を新たな結婚式のカタチとして、ご提案してまいりたいと思います。
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