協同組合 創立50周年記念イベントで一夜限りのプライベートカジノ(後編)
「らしさ」や「思い」をカタチにすることはとても難しいことです。
プロデューサー・藤田の20年間のオリジナルウエディングのプロデュースのノウハウを、
【コト】MICE(企業や団体のビジネスイベント)の企画運営、
【モノ】プロダクトのコーディネイト、
【トコロ】マチづくりやユニークベニュー(歴史的建造物、文化施設)の再開発、のプロデュースに活用しています。
コトモノトコロ・プロデュース MICE編 「四国にカジノ?ラスベガスナイト!」
創立50周年記念の関連事業や、記念パーティーのテーマが「カジノ・ラスベガスナイト」に至った経緯も、ぜひご覧ください。
>>>協同組合 創立50周年記念イベントで一夜限りのプライベートカジノ(前編)<<<
エンターテイメントのプロたちがあっと驚くパーティーコンセプト
Q.いざ来賓の方々が「カジノパーティー」に足を踏み入れた時の反応はいかがでしたか?
A.「後ずさりというか(笑)、“なんじゃこりゃ?!”って!」
北は北海道、南は九州・沖縄と全国からお客様が出席されていたのですが、「なんじゃこりゃ?こんなパーティー見たことない!」という感じです(笑)。
そりゃそうですよね?
プロデュースした私だって、音響さん、照明さん、映像さん、舞台さん、道具屋さんなどの専門スタッフにとっても、初めて企画・制作したテーマです。
施設の設備や内装で諦めてはいけない!普通の会場を「らしい会場」に変えるワザ
Q.イベントでこだわったポイントはどこですか?
A.「エンターテイメント産業の方が満足する大人な遊び空間になるように!」
場所は、香川県県民ホール(レクザムホール)の中にある多目的大会議室「玉藻」。
↑(普段の様子)講演会、シンポジウム、レセプションなどに使用される公的な施設です。
第一部は50周年記念式典、厳粛さを重視した式典でした。
第二部が「カジノパーティー」。
第一部の式典とのギャップもあり、また会場が公共施設のためパブリックなイメージで、建物外観やロビーの雰囲気からは、とてもこんな“遊びゴコロ”が演出されているなんて想像できなかったと思います。
特にこだわっているのは、照明の演出と会場内のレイアウト。
“カジノ”、ちょっと間違えると下品になってしまうテーマでもあります(笑)。
いかに、上品に、高級感があり、すべての人が居心地の良いと感じる空間にするか、それは照明デザインがかなり重要なポイントです。
キャンドルを何百個も使用したシャンデリアと、グリーンのみのスタイリッシュな装花も、照明デザインとうまくマッチして、品よくまとまりました。
カジノコーナーは会場中央、実は特設ステージをつくってステージの上にあります。
お客様の中には、カジノをプレイするより、歓談や食事を楽しみたい方もいらっしゃいますよね?!
ステージを作ることで、やんわりとエリア分けをしているんです。
「パーティーが苦手」なんて言わせない!業界の常識を払拭するプロデュース!
Q.実際のパーティー進行中の藤田さんの心境はどうでしたか?
A.「すべての人が“おいてきぼり”にならない!」
(1)“壁際族”を絶対に作らない!私のプロデュースポリシー
もう20年近く前のことです。
まだ私が創業して間もないころ、アメリカにプロデューサーの研修に行った時のことです。
SPECIAL EVENTS というカンファレンスで、全米のイベント・パーティープロデューサー、パフォーマー、音響・照明・映像などのテクニカルアーティスト、装飾デザイナー、ケータリング業者など、エンターテイメント業界に関わる人々が、世界各国から一堂に会する全米最大のイベントでした。
そこで目の当たりにしたのは、エンターテイメントの本場、アメリカならではの最新で最高のプロデュース。
それは!!
国籍、性別、宗教、年齢、職業・・・異なる価値観を持つ人々が集っても、「すべての人が楽しめる」!
日本人なんてほとんどいないカンファレンスに初めて参加した私でも、おいてきぼり感を感じなかったんです。
日本人って、「パーティーを開くのが下手」「パーティーに参加するのが苦手」とよく耳にしますよね。
プロデューサーの私は、クライアント様から「壁際に椅子並べておいて!」、「会場の外(ロビー)にも寛げるコーナー作っておいて!」とよく言われます。
パーティーに気後れを感じる人や疲れる人、パーティーは嫌いだけどやむを得ず出席している人、要するに「パーティーはつまらん」と思う人が一定程度いることを、主催者も、ホテルなどのパーティー業者も当たり前に考えていることだと思います。
「パーティーはつまらん」と思っている人がいることを前提にしてパーティーを開催するなんて、悲しすぎませんか?
しかし、実際には多くの主催者さんも、ホテルなどのパーティー業者も、「(開催することが大事で、パーティーはつまらんと思う人がいるのも)仕方ないですよね!?」みたいな・・・。
これが、日本のパーティー事情、慣例のようです。
私は、「パーティーに壁際族は仕方ない」、そんな嫌な慣例を払拭したいと思ったんです!
私が、「すべての人が楽しめる、絶対に“壁際族”を作らない!」パーティーをプロデュースする!
(2)“壁際族”対策/その1
「藤田さん、酒を飲まん人、社交が苦手な人にとっては、2時間のパーティーはつまらんよ。」
「ロビーには、喫煙のできる待機場所を作っておいて!
高齢者もおることだし、会場内の椅子は、壁際にたくさん並べといてよ!」
やっぱり、今回のクライアントさんからも、“壁際族”のオーダーが入りました!(笑)
「お酒を飲まない人やカジノをしない人でも、十分楽しめるパーティーを提案します!
すべての人が楽しめるパーティーにします、絶対に“壁際族”を作りません!
マジシャン、ジャグラー、パントマム、フレアバーテンダーなど様々なジャンルのパフォーマーが、いつもどこかに登場している感じです!
ステージを使用するだけでなく、登場シーンにも変化を付けます。
神出鬼没な感じを楽しんでもらいます。
これだけ多様ならお気に入りのパフォーマーもいるはず!」
オープニングアクトで登場したパントマイマー。パーティー中は、カジノコーナーにも出没。
食事歓談中のBGMには、やっぱり弦楽四重奏。
ステージの上で突然始まったマジックショー。あっという間にステージ前に人が集まり、出席者も飛び入り参加するほどの盛り上がり。
ジャズのビッグバンドオーケストラ。だらだらし始めるパーティー後半、パンチの利いたビッグバンドの演奏。カジノのBGMにもなるし、ジャズ演奏を楽しむ人もいる。
女性の出席者に人気だったイケメンのフレアバーテンダーショー。特製カクテルは、ご希望の方のお口に入りました(笑)。
やっぱりパーティーの醍醐味は、美味しいお料理。有名シェフによる料理パフォーマンス。お料理もパーティーでは、パフォーマンスなんです!
やっぱりカジノパーティー。美人のディーラーさんのコーナーは、順番待ちになるほど。
このパフォーマーさんたち、すべてがひとつのパーティー会場にいるんですよ。
どのパフォーマーさんも主役でないといけない、一つ一つの演技が際立たないといけない。
ただ進行にそって出演するだけ、雑雑と会場にいるだけでは、「出し物」にすぎません。
パフォーマーの登場シーンに工夫を凝らし、演技や演奏の内容によって進行順を組み立て、音響・照明・映像との組み合わせをコーディネイトしてこそ、「“壁際族”は、絶対につくらない!」の効果につながるのです。
(3)“壁際族”対策/その2
もうひとつ、椅子の件。
高齢の方や、身体の不自由な方のことも考えると、椅子はとても重要です。
立食パーティーであっても、椅子はなくすわけにはいきません。
だけど!
「“壁際族”はぜったいにつくらない」
パーティーの雰囲気に気後れを感じ、ちょっと疲れたなと思って、壁際に行って椅子に座る。
壁際に椅子を並べるから、椅子に座った人に、更に疎外感を与えてしまうわけです。
なかなか、パーティーに戻りにくくなるわけです。
ならば!
立食スタイルのパーティー会場の中央に椅子を並べてはどうか?!!
実際にはこのような感じ。カジノコーナーのすぐそばに椅子があるので、ちょっと腰をかけた人たちも決して“壁際族”になることはありません。
お客様やスタッフがスムーズにすれ違え、ディスプレイなどにぶつかることなく移動できる通路の広さ、空間の取り方など、不自由なく動けるレイアウトは重要です。
一方で、高齢の方や身体の不自由な方、社交が苦手な方が椅子に腰かけた際に、疎外感を感じなくするために、会場の中央に椅子を配置したのです。
演出や装飾に応じた最適なスペースやレイアウト、料理やステージなど設備の配置場所を考えた会場設計は、パーティーのコンセプトのパフォーマンスを最大限に発揮できるのです。
これが、藤田徳子の“究極のパーティー・プロデュース”
Q.カジノスタイルのパーティーで得た教訓とは?
A.「“パーティー弱者”を救うこそ、本当のプロ!」
企業や団体の周年パーティー、ブランドやショップの販促パーティー、個人の叙勲や受賞のパーティーなど、趣旨(コンセプト)が明確なパーティーであれば、価値観や属性が似通った人たちが集うことが多いと思います。
とは言え、多くの人が集えば、国籍、性別、宗教、年齢、職業、居住地域など、さまざまな「顔」が見られ、中には身体が不自由な方や社交嫌いの方など、「パーティーが苦痛、つまらない」と感じる方もいらっしゃることも事実です。
今まで、パーティー主催者さんもパーティーを請け負うホテルなどの業者も、「そういうもんだから仕方ない」と「パーティー弱者」に対して目を背けてきたのではないでしょうか?
また、「日本人はパーティーが苦手だから」と、国民性を理由に問題を解決する努力を怠ってきたのではないでしょうか?
今回のパーティーでも、同じ業界に関わる人の集いとは言え、全国から出席されましたので、初対面や久しぶりに顔を合わせる関係ですぐに打ち解けられる方々ばかりではありません。高齢者や身体の不自由な方もいらっしゃいます。
私は、約1年間、四国遊技機商業協同組合様の創立50周年プロジェクトに携わりましたが、組合の皆さんの相互扶助の精神に感激しました。ともすれば、競合関係にある仲間同士が、同じ目的に向かう実直な姿勢に多くのことを学びました。
「相互扶助」を理念に掲げる団体だからこそ、絶対に「すべての人が楽しめる」パーティーにしなければならない!、そう固く決心しました。
パーティーのプロだからこそ、「パーティー弱者」を大事にしないといけないのです。
結果、“壁際族”は一人もいらっしゃいませんでした!(本当です!)
すべての人が“おいてきぼり”にならない!
これが、藤田徳子の“究極のパーティー・プロデュース”です!
■クライアント /四国遊技機商業協同組合 様
■事業名/創立50周年記念事業(組合理念作成、周年関連事業、周年式典、周年パーティー)
■トータルプロデュース・プロデューサー/藤田徳子(株式会社フェアリー・テイル)
■STAFF/
- パーティー企画運営(株式会社フェアリー・テイル)
- テクニカルディレクター(株式会社ビザビ 河内猛)
- 会場装飾プラン制作(パームスデザイン設計事務所)
- 会場施工(株式会社高松大洋工芸)
- VP(Video Package)制作(株式会社びより 安井祥二)
- 音響(株式会社スーパーフォー)
- 照明(ミュウ・ライティング・オフィス)
- 映像テクニカルサポート(株式会社オプチカル)
- 装花(フローリーリッチ 中井慎二)
- 記録撮影(スタジオBUN 岩城文雄)
- 組合理念、行動指針ビジュアル開発(アイノグラフィカ 猪熊信次)
- 50周年記念誌ビジュアル制作(アイノグラフィカ 猪熊信次)
- 50周年記念誌編集(有限会社CONERI 人見訓嘉)
- 50周年記念誌コピーライティング(有限会社CONERI 人見訓嘉)
- 料理飲み物(高松国際ホテル)
- <協力>周年事業・接待木植樹(NPO法人 遍路とおもてなしのネットワーク)
>>>協同組合 創立50周年記念イベントで一夜限りのプライベートカジノ(前編)<<<
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フェアリー・テイルでは、各種ビジネスイベント(周年パーティ、各種式典、講演会、ブランド・ショップ販促イベントなど)のコンセプトづくりから具体的な演出までトータルでプロデュースいたします。
プロに依頼することで、自社の本業にご専念いただける細やかなサポートも行っています。
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