結婚式の来賓祝辞や友人スピーチのイマドキNGワード!
前回の「結婚式祝辞やスピーチのアドバイス」の記事で、結婚式に招待され、来賓の祝辞や友人スピーチを頼まれた際、
少々常識外れ、マナー違反になってもイイから、
インターネットの情報やマニュアル本を参考にしないでください!
とご説明しました。そのうえで、おしゃれでオリジナリティある、気の利いた祝辞、スピーチ原稿の作成ポイントをご案内しました。
世代や立場によって「無神経」や「不愉快」が違う。
「少々常識外れ、マナー違反でもいい」というのは、気の利いた祝辞やスピーチを作成するためには、既成概念や慣習にこだわらず、祝福されるカップルらしさ、祝福するスピーカーらしさが重要だということです。
決して、誰かが傷つく表現、不愉快な思いをする言葉は、使ってはなりません。これは、結婚式や式典などお祝いの席に限ったことではありませんね。
しかし、最近は、世代や立場によって、「無神経だ」「不愉快だ」と感じるポイントが異なることもあるようですから、今まで以上に言葉選びは重要です。
政治家さんの「女性というには、あまりにもお年なんですが」とか、「女性がたくさん入っている会議は、時間がかかる」とかの発言も、ご本人は悪気がなかったとのことですが、多くの女性に反感をかうことになったニュースも、記憶に新しいことですね。
「旦那」や「主人」は時代錯誤。
では、どんなことに注意を払ったらよいのでしょうか?
今回は、結婚式の祝辞やスピーチでも、日常会話でもしばしば登場する単語を例に挙げて説明したいと思います。
結婚式の来賓祝辞や友人スピーチで「旦那様を気遣って仲良く暮らしてください」とか、「ご主人様と末永くお幸せに!」など、一般的に使われていますよね?!
また、日常会話でも「旦那様にも、よろしくお伝えください」とか「ご主人様はご在宅でしょうか?」とか、何気なく使っている方も多いはずです。
それ!まさに、時代錯誤です!
もともと、「旦那」も「主人」も、「夫」や「男性の雇用主」を敬うことばです。現代では「夫」以外の意味で使われることは少なくなりましたね。「ご主人様」とすることでさらに丁寧に聞こえますよね。
ならば・・・正式な場である、結婚式の来賓祝辞やスピーチなどで使っても問題じゃないじゃないか?日常的な会話でも相手を敬うという点で、最大限の配慮があるじゃないか?と思われるかもしれません。
それが「時代錯誤」なのです。
確かに敬称として使われることばなので、もともとは問題なかったかもしれません。
しかし、「旦那」、「主人」には、雇用主などの意味もあるため、「夫婦は主従関係ではない」とか「上下関係を想像する」と、最近は不快に思う人もいることをぜひご存じいただきたいのです。
特に、「旦那様」は、お金を出してくれるパトロン的な意味合いにとれると気持ち悪く感じる方も多いのです。
時代に応じた新しいコトバに注目する。
では、なんと表現したらいいのでしょうか?
男性の配偶者を示すことばとして適切なのは、「夫」です。公的機関に提出する書類に続柄を記載する際にも「夫」と記載するのが一般的ですし、夫の対義語は「妻」で、両者は対等な関係を表しています。
でも、さすがに相手の男性の配偶者を「夫」と呼ぶのはちょっと変ですよね?
結婚式の祝辞で「夫と仲良く末永くお幸せに!」もオカシイ、普段の会話で「夫はご在宅ですか?」も丁寧さに欠けるように感じます。
そこで、最近は「パートナー」とか「夫さん」とか、ジェンダーフリーの時代、多様な価値観を認め合う時代に合った新しいコトバの使い方が生まれています。
同じように、「家内」とか「女房」もご注意ください。「家内」、そのまま「家」の内にいる人をさしますから、現代の女性活躍時代にはふさわしくありません。また「女房」も、女性使用人を示しますので、妻を家政婦のような見立てをしていると感じる人もいるのです。
決して、私は、超フェミニストでもありませんし、強い主義を持っているわけではありませんが、今まで、普通に使っていたことばが、人々の意識の変化に伴い無難に使える言葉ではなくなりつつあることに気づいてほしいのです。
特に結婚式の来賓祝辞や友人スピーチを依頼された方や、会社の社長さんや部下を持つ上司など立場のある方は、ジェンダーを区別するような、男女の権利に差を感じるようなことば使いは注意しておきたいものです。
ブライダルプロデューサー藤田徳子
藤田徳子
(ふじたのりこ)
ブライダルプロデューサー歴24年。 直島、高松城、栗林公園などで史上初の結婚式をプロデュース。歴史的建物や文化施設で、特別感・地域特性を演出する国賓パーティーやイベントを仕掛けるユニークベニューのプロデューサー。
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