結婚式場のプランナーとフリーのウェディングプランナーの違い(まとめ)
「結婚式場のプランナーとフリーのウェディングプランナー、どっちがいいの?」と迷っている方へ
結婚式場も多種多様にあり、式場のプランナーも会社の営業方針や教育スタイルによってもマチマチです。またフリーのウェディングプランナーと言っても、経験年数や担当件数、経歴によっても力量に差がある上、レストランウェディングやガーデンウェディング、神前式や人前式、と得意分野やホームグラウンドも異なるため、一概に違いを述べることは難しいです。
そこで、本記事では、25年近く結婚式を挙げるカップルの相談に応じながら、5,000組以上の結婚式を担当し、ウェディング業界の仕組みをプロデュースしてきたブライダルプロデューサーが、昨今のウェディング業界の状況と結婚するカップルの要望の変化を説明します。
きっと、“結婚式場のプランナー”、“フリーのウェディングプランナー”、どちらがあなたの結婚式に向いているか検討するヒントになることと思います。
結婚式のプロのアドバイスが欲しいプレ花嫁さんが急増しています
- 「すでに会場を決定し、式場の担当プランナーさんがいるが他の意見を聞きたい。」
- 「会場の担当プランナーさんに希望が伝えられない。」
- 「結婚式のプロのアドバイザーとしての意見がほしい。」
など・・・。
- 結婚式場を決めたプレ花嫁さん
- 担当のウェディングプランナーさんがいるプレ花嫁さん
- すでに結婚式の準備が進んでいるプレ花嫁さん
から、私(ブライダルプロデューサー藤田徳子)へのご相談が増えています。
当社へご相談のお客様から実際にいただいたメール文
コース料理のデザートが2品あり、オプションのケーキカットのをつけるとデザートが多いと感 じるので、『コースのデザートをなくせないか?』、この希望もNOでした。 マニュアル通りの返答・交渉の余地はない印象を受けました、、、 最終的には(式場の)プランナーと相談する内容にはなりますが、会場側とやりとりするに当たって藤田さんの力をお借りすることは可能でしょうか?
ブライダルプロデューサーとして25年、お仕事をさせていただいてきた中で、今までもこのような内容のご相談はなかったことはないのですが、ここのところ、急増していることに驚いています。そこで、プレ花嫁さんや結婚式を控えたカップルを取り巻く環境の変化、業界が抱える課題について考えてみました。
プレ花嫁が結婚式のプロのアドバイスが欲しい理由
「結婚式場を決定している」、「担当のウェディングプランナーがいる」、「すでに結婚式の準備が進んでいる」にも関わらず、「結婚式のプロとしてアドバイスが欲しい」とおっしゃるプレ花嫁さんのご相談、悩みごとの多くはこんな感じです。
- 「式場のウェディングプランナーの回答はパターン化されていて融通が利かない」
- 「会場装花、ブーケなどウェディングアイテムはWeb上の選択肢から選ぶだけ」
- 「式場のプランナーから結婚式のプロとしての提案やクリエイティブなアイデアはない」
- 「結婚式に関する相談はAIチャットで。担当のウェディングプランナーと個別対応はほとんどない(限られた回数だけ)」
- 「人前式や披露宴の進行表は、成約客のみが入れるWEB上の数点パターンから選択」
- 「新郎新婦の名前、来賓祝辞や乾杯の人の名前などを入力しメールで返信するだけでオリジナルの演出はできない(しにくい)」
- 「実際の結婚式場と担当のウェディングプランナーがいる場所が違うから、プランナーは現地のことをわかっていない」
- 「お客様担当制がない。電話のたびに違う人が対応するから、その都度、自分たちのことを説明しなければならず、親身に相談にのってもらえない」
- 「式場のウェディングプランナーは相談に対してマニュアル通りの返答で、交渉や相談の余地はない」
当社へご相談のお客様から実際にいただいたメール文
参考までに披露宴会場装花の選択画面を添付させて頂きます。 『ウェディングプランナー』という要素をできる限り排除して、代わりにWeb上にて選択肢から選ばせていくという方法をとっているように感じます。 均一なクオリティーを提供しやすくなり、合理的な方法だとは感じます。 しかし、その一方で『理想の結婚式』を追求する余地は限りなく少ない印象をうけます。
大手ウェディング企業、大手結婚式場が抱える課題
当社にご相談のプレ花嫁さんやカップルのお悩みごとを聞けば聞くほど、これではたしかに、個別対応は難しいと感じます。例えば、新郎新婦への細やかなサポート、高齢の祖父母様から小さなお子様まで幅広い年齢層のゲストへの気配り、移動や宿泊などを含めたスケジュール管理など、マニュアルにはないそれぞれの事情に応じることは厳しい様子です。
また、お二人がクリエイティブでオリジナルな結婚式を理想とするならば、その実現は遠いかもしれません。
ウェディング雑誌でよく目にする大手専門式場や大型ホテルなどは、設備の機能性は高く、商品はパッケージプラン化されていて、一般のお客様にはわかりやすく、手に取りやすいと言えます。一方で、大手専門式場ゆえにコスト削減と品質保証の両面を管理することには、課題も多いのではないでしょうか。
結果的に、お客様に“しわ寄せ“が生じているようです。その背景には、コロナ禍も大きく影響する、大手専門式場を中心とするウェディング業界を取り巻く環境の変化があるのです。
●ウェディングプランナーの働き方改革
ウェディングプランナーの仕事は、お客様の都合に合わせる必要があり、土日や平日の夜が中心。また、結婚式当日は、花嫁の支度時間に合わせて早朝から出勤。ウェディング会社によりますが、お客様の打ち合わせ、発注処理や見積書の作成、引き出物や衣装の検品や運搬、現場会場の設営、当日の運営や進行・・・と、プランナーひとりに課せられる業務は肉体労働から事務仕事まで多岐に渡ります。
≪課題≫
ウェディングプランナーの仕事は見た目とは裏腹に「3K」。
ウェディングプランナーの働き方改革は、業界全体の喫緊の課題です。
また残業代など人件費コストの見直しも、ウェディング会社の経営課題でもありました。
●ウェディングプランナーの教育コスト
ウェディングプランナーには、接客業としてのマナーやスキル、クリエイターとしてのセンスやアイデア、婚礼の儀式や婚儀の慣習の経験や知識など、多岐にわたる能力が求められます。ゆえに誰にでもできる職業ではありません。
しかし、大手ウェディング企業の利益追求には、結婚式件数を数多くこなす必要があり、そのためにたくさんのプランナーが必要です。そこで、大手式場は莫大な教育コストを費やして多くのプランナーを養成し続けています。
≪課題≫
当然、その教育コストはお客様の価格に反映されています。
しかし、教育コストをかけたからと言って、航空会社のCAやハイブランドの販売員のように全員が一流のサービスが提供できるようになるとは限らないのです。なぜならば、センスやアイデア、宗教観や地域慣習の知識など、個人のポテンシャルによるところが多い職業ゆえです。また、多くのプランナーが女性で、結婚や出産を機に離職者が多く、教育コストの割には長続きしにくい職場、企業側とすれば生産性効率が低い職業のようです。
このように、プランナーの養成にも限界があることは大手ウェディング企業の課題なのではないでしょうか。
更に、コロナ禍の影響で、結婚式件数が減り、結婚式1件あたりの単価が下がりました。収益が上がらないことには教育コストを捻出することすらできません。
●ウェディングプランナーのOJT ができない
OJTとは「On-the-Job Training」の略で、実践を通じて業務知識を身につける育成手法です。OJTは、ウェディング業界の現場業務ではとても重要で、研修やマニュアルだけではなかなか実践につながらない知識・スキルを、お客様対応や実際の結婚式現場で、経験豊富なウェディングプランナーの上司や先輩から、新人や後輩は学びます。
≪課題≫
コロナ禍の影響で、1年以上結婚式の実施ができず、新人や若手を教育する実践現場がありませんでした。入社して一度もOJTを踏んでいないというプランナーも多くいると聞きます。この先、withコロナ時代、結婚式件数が減るとOJTに巡り会える機会が少なくなるかもしれません。
大手ウェディング企業の課題解決策
昨今、社会全体で推進する「働き方改革」や「SDGs(持続可能な開発目標)」の観点で言えば、大手ウェディング企業、大手専門式場には、多くの課題があることがわかります。
それらの課題を解決するためには、以下の8点が有効だったのかもしれません。
- ウェディングプランナーの回答はマニュアル化、パターン化する
- 均一化されたサービスの品質を保証するため、個別の交渉や相談の余地は持たない
- 養成できたウェディングプランナーが複数会場を掛け持ち、お客様担当制はなし
- ウェディングプランナーはアウトソーシングし(実際の結婚式場とは別の場所にいる)、現地のことがわからないのは仕方ない。現場は現場スタッフに任す
- 相談はAIチャットが対応。ウェディングプランナーとの個別相談はなし(限られたか回数のみ)
- 装花やブーケなどウェディングアイテムはWeb上に選択肢を用意、その中からお客様に選んでもらう。コーディネイトのアドバイスや助言はしない
- 挙式や披露宴の進行表のフォーマットをWEB上に数点パターンを用意、その中からお客様に選んでもらう。新郎新婦の名前、来賓祝辞や乾杯の人の名前などを入力してもらうのみでアレンジなし
- オリジナルの演出やイレギュラーな進行は対応しない(適宜、確認相談が必要)
少子化、晩婚化、ナシ婚化、ジミ婚化などウェディング業界には、従来、需要の減少傾向が長期間続く要因がありました。その上に、コロナ禍です。
大手ウェディング企業、大手結婚式場は、企業の存続や課題の解決のためには、お客様への多少のしわ寄せはやむを得ないと考えるのかもしれません。
【まとめ】結婚式場のプランナーとフリーのウェディングプランナーの違い
大手ウェディング企業が抱える課題とその解決策8点をお伝えしましたが、その真逆がフリーのウェディングプランナーの特長だと言えます。
- ウェディングプランナーの回答はマニュアル化、パターン化しない
- 個別の交渉や相談の余地がたくさんある
- お客様はすべて担当制(というか、そのプランナーを指名するわけだから)
- 結婚式の現場のことをよく理解し、現場も自分が運営する
- 相談は、ウェディングプランナーとの個別に行う
- 装花やブーケなどウェディングアイテムのコーディネイトについてアドバイスする
- 挙式や披露宴の進行表は、お客様ごとに作成する
- オリジナルの演出やイレギュラーな進行を喜んで対応する
【ご注意】
これらがフリーのウェディングプランナーの特長と言っても、経験年数や担当件数、経歴によって、力量には相当に差があります。また、レストランウェディング、ガーデーンウェディング、フォトウェディング、和婚、家族婚、神前式、人前式…と、得意分野や馴染みの会場(ホームグラウンド)も異なるので、上記がすべてのフリープランナーにあてはまるとは限りません。
「結婚式場プランナー」と「フリーウェディングプランナー」どちらがあなたに向いているのでしょうか?
ここまで、ウェディング業界が抱える課題、プレ花嫁さんやカップルを取り巻く環境の変化、結婚式場のプランナーとフリーのウェディングプランナーの違いなどを説明してきました。
「結婚式場プランナー」と「フリーウェディングプランナー」、どちらがあなたの結婚式に向いているか検討するヒントになりましたでしょうか?
「やっぱり、結婚式場のプランナーとフリーウェディングプランナー、何が違うかわからない」、「どちらが自分に必要なのか分からない」という方は、まずはご相談ください。
25年、ウェディング業界を経験した「結婚式のプロ」が対応するので、安心してご相談いただけます!<無料>
藤田徳子
(ふじたのりこ)
ブライダルプロデューサー歴25年。 直島、高松城、栗林公園などで史上初の結婚式をプロデュース。歴史的建物や文化施設で、特別感・地域特性を演出する国賓パーティーやイベントを仕掛けるユニークベニューのプロデューサー。
《藤田徳子について》
「とりあえず、今の悩みを聞いてほしい」、「今後、どうしたらいいのか分からない」など、ご相談も対応しております! <無料>お気軽にご相談ください。
株式会社フェアリー・テイルの取り組み
~小さなブライダルプロデュース会社ですが、早くからウェディング業界全体が抱える課題の解決にも取り組んできました。~
当社は、1998年にブライダルプロデュース会社として創業。 「業務改善が難しい」とされてきたクリエイティブ業種で、10年間で残業時間を92%削減。 全国のウェディング業界に先駆けて、ワークシェアを実現。 多様な働き方を推進し、「感動ビジネス」として新たな価値を創出しました。
女性活躍・働き方改革・SDGsの推進
- 香川県「ワーク・ライフ・バランス推進企業表彰」知事賞受賞(香川県第1位)
- 高松市「子育て支援中小企業等表彰」受賞
- 高松市「素敵にたかまつ女性活躍企業」表彰
- 香川県子育て行動計画策定企業 認定
新たな価値創造の推進
- 第3回全国女性起業家大賞 奨励賞
- 「良い結婚式コンテスト」Good Wedding Award 2012全国準グランプリ
- 高松観光プロモーション事業認定
- 特別名勝 栗林公園 商工奨励館(ガーデンカフェ栗林)運営受託
- 平成26年度 高松商工会議所 チャレンジ会員事業所表彰
当社は、小さなブライダルプロデュース会社ですが、早くからウェディング業界全体が抱える課題の解決にも取り組んできました。
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