「神前式で何するの?」(神前式ですること)「神前式って何?」(神前式の意味)
昨今、急増中の「家族婚」。
「家族婚」では、キリスト教や人前式でなく、「神前式」を選ぶカップルが増えています。
「家族婚」とは・・・
家族や極少人数の親族のみで行う結婚式のスタイルです。
コロナ禍中、家族婚を選択される方が急増し、2022年ウェディングのトレンドのひとつと予想されます。家族婚は、withコロナ時代(コロナ共生時代)、結婚式のスタンダードな様式として定着しそうです。
「神前式」とは・・・
日本人の暮らしに、古くから溶け込む神道の神様の前で結婚を誓う神前式。神前式は大正天皇のご成婚がきっかけで、一般的に広まりました。子どもの頃、お祭りのたびに通ったなじみのある神社や、初詣に彼と出かけた思い出の神社など、挙式を挙げる神社を選ぶポイントも重要です。
しかし、「実は神前式に出席したことがない」という方も多く、家族婚の急増とともに、神前式についてのご質問が多数寄せられています。
神前式は、親族のみが出席するので、身近なご親族の方が神前式を挙げていないと神前式を見た機会がないのです。会場によっては、友人がオブザーバーとして出席することもありますが、あくまでもオブザーバーで儀式には参加できません。ということで、神前式を選んだものの、多くの方が神前式の様子がイメージできないというわけです。
そこで、本記事では、神前式にまつわるご質問にお答えさせていただきます。
こんなカップルに「神前式」をオススメします!
- 「結婚はふたりだけの問題ではなく、両家の家族にも仲良くなってほしい」
- 「挙式では、ふたりで執り行う儀式を通して夫婦の絆を深めたい」
- 「日本人であることの誇りや、伝統的な儀式やスタイルを大切にしたい」
- 「流行やカタチだけのものは要らない!」
- 「ミーハーな流行りの結婚式はちょっと・・・」
神前(神道)と「結婚」
明治33年、当時皇太子であられた大正天皇の御婚儀に大きな影響を受け、その後、神前式は一般にも普及しました。
と言っても、明治時代に新たに創られた儀礼ではありません。現在の神前式は、家庭を式場としておこなわれていた時代の伝統的な婚儀の形や礼儀の作法を集大成し、日本の伝統的な考え方を継承したものとなっています。
神前において、「結婚は家と家の結びつき」と考えます。この考え方が、家族主義の日本人の暮らしに古くから溶け込んできたのです。
神前式の急増の背景
昭和40~50年代、神前式が最も多く選ばれていました。その後、洋装が主流となりキリスト教式、個性派ウェディングを求め人前式が増えましたが、「家族婚」が主流となった今、また神前式が急増しています。
神道では「結婚は、家と家の結び付き」と考えます。コロナ禍の影響もあり、「いつまた会えなくなるかわからないから、家族と顔合わせしておきたい」、「高齢の祖父母に花嫁姿を見せて喜んでもらいたい」と、家族のことを真っ先に考えて「家族婚」を選ぶカップルに、神前式の考え方がぴったり合致するのです。
友人や職場の仲間など結婚する新郎新婦の同世代には、キリスト教式や人前式が華やかでスタイリッシュな印象に映るかもしれませんが、両親や祖父母など年齢層の高い方には、神前式は馴染みがありわかりやすい形式と言えます。
これらの理由から、「家族婚」とともに神前式が、今急増しているのです。
プレ花嫁様からのご質問(その1)
祖父母に見せたいから和装の結婚式にするんですが、神前式の結婚式って見たことないんです。
どんなことするんですか?
神前式ですること、神前式の進行を教えてください。
『神前式の進行(神前式ですること・儀式)』
ふたりの親族同士が結びつくという考え方にのっとり、式が進行されます。
●「修祓(しゅばつ)」
神様が降りて来られる場所をお祓いして清めます。
●「降神(こうしん)」
神様が私たちのそばに降りて来られるので、お迎えします。
●「献餞(けんせん)」
神様にご機嫌よくお過ごしいただくために、神様の好物(ごちそう)を捧げます。
●「祝詞奏上(のりとそうじょう)」
斎主(神職)が、二人の結婚を報告し幾久しく見守ってもらえるようにお願いします。
神様に伝わる言葉で、独特の表現です。
●「誓詞奉読(せいしほうどく)」
新郎新婦ふたりが、神様に結婚の報告と夫婦の誓いをたてます。
「互いに愛し合い 苦楽を共にし 世のため人のために尽くすことを約束します」
●「玉串拝礼(たまぐしはいれい)」
玉串にふたりと家族の心を託して神に捧げます。
玉串は榊(さかき)という植物の枝でできています。
●「三々九度の盃(さんさんくどのはい)」
盃を重ねることによって家と家の絆を結びます。
三度を三度重ねることで、縁起の良い数といわれる陽数(一、三、五、七、九)の中で最大の数である九になり、幾久しく幸せな家庭が続くようにという願いが込められています。
●「親族 固めの盃(しんぞくかためのさかずき)」
雄、雌の形をした酒器の酒を混ぜ合わせ、同じお酒を飲むことで両家一同が親族となることを誓う儀式です。
●その他
雅楽の生演奏や神楽舞を取り入れることで、より一層の優美さを演出することもあります。
プレ花嫁様からのご質問(その2)
神前式では、結婚は、家と家の結びつきだと聞きました。
どういう意味ですか?
ふたりの結婚なので、家族には関係ないと思うのですが。
『神前式の意味・考え方(コンセプト)』
神前式では、結婚は、家と家の結びつきだと考えます。
つまり、●●さん(彼の名前)と○○さん(彼女の名前)、二人だけの結婚ではないってことなんです。
たしかに、「家と家」っていうと厄介な話?!、面倒だ!!と思うかもしれませんが、「万一、二人に試練が訪れた際には、家族みんなで惜しみない協力と支援をするよ!」と、家族も神様に誓うのです。
「家族同士が結びついている以上は、絶対二人が離れることはないよ!大丈夫!」ってことです。むしろ、二人が離れようと思っても、「周り人たちがタッグを組んで阻止するよ!」というバックアップ体制も敷かれているということなのです。
だから、神前式では、両家の代表が登場する「親族玉串拝礼」や、家族親族みんなで同じお酒を飲む「親族固めの盃」など、家族が参加する儀式が取り入れられています。神前式は、まさに「家族婚」のコンセプトにピッタリなのです。
『神前式の意味・考え方(コンセプト)』を理解しても、「やっぱりしっくりこない」、「自分の結婚観とはマッチしない」という方は、もう一度、挙式のスタイルを検討してもよいかもしれません。
●キリスト教式
キリスト教での結婚は、人間の力を超えた神の摂理が働いて「神の結び合わせたもの」と神のご支配を謙虚に受けとめるという信仰に基づいています。
●仏前式
仏教での結婚は、ふたりが生まれる以前から定められた縁で、ご先祖様からの「縁(えにし)」(み仏のお導き)で結ばれると考えます。
●人前式
人前式では、宗教にとらわれることなく、家族や友人など身近な人達に結婚の証人としてふたりの結婚を認めてもらいます。
「どの結婚式が向いているか分からない」、「結婚式の様式(スタイル)を選んでほしい」、「とりあえず、今の悩みを聞いてほしい」、「今後、どうしたらいいのか分からない」など、ご相談に対応しております!
コロナ共生時代の結婚式~家族婚と神前式~
コロナ禍中、結婚式を挙げるのを戸惑うカップルが多いことでしょう。
しかし、結婚式はカップルや家族にとって大切なセレモニーだからこそ、3密やクラスター発生を回避しながら感動的な結婚式を挙げていただきたいと思います。
では、今後、withコロナ時代(コロナ共生時代)、どのような様式を選んだらよいのでしょうか。また、どのような結婚式がスタンダードな様式になるのでしょうか?
- 結婚式のゲスト数(出席者数)が減った。
大人数での会食や宴会を自粛する傾向、ゲスト数(出席者数)が減り、結婚式の規模が縮小、小規模 化。 - 結婚式のゲストの顔ぶれ(出席者の属性・続き柄)が変化した。
従来の結婚式では、職場関係、友人、親族や家族、など幅広く出席されていましたが、ごく親しい親 族のみでの結婚式が多くみられるようになった。 - カップルの結婚式に対する価値観が変化した。
帰省や旅行が規制され、会いたいときに会いたい人に会えない中、「いつまた会えなくなるかわから ない家族と顔合わせしておきたい」、「高齢の祖父母が元気なうちに早く花嫁姿を見せたい」など、今 まで以上に結婚式に「家族の絆」を意識されるようになった。
このような変化により、【家族や極少人数の親族のみで行う結婚式のスタイル「家族婚」】+【結婚は家と家の結びつきと考える「神前式」】が、withコロナ時代(コロナ共生時代)では、ウェディングのトレンドのひとつとなると予想されます。
だからこそ、「神前式で何するの?」(神前式ですること)、「神前式って何?」(神前式の意味)をぜひ知って、結婚式に臨んでいただきたいです。
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