「ヤバッ、コロナで結婚式、欠席!?」(結婚式の招待客がコロナで欠席する際の対応)
ブライダルプロデューサー歴24年の藤田徳子です。
コロナ禍も落ち着きを見せ始め、2022年秋は、コロナ以前の通りに賑やかなブライダルシーズンを迎えられそうです。
「延期して2年越しの結婚式」、「結婚式を待っていたら先に赤ちゃんが出来ちゃった」というカップルもいらっしゃります。
結婚式が待ち遠しいカップルはもちろんのこと、ご家族やご友人も、ふたりを祝福することが楽しみで仕方ないと思います。
そんなブライダルシーズン真っ只中、私のもとにこのようなご相談をいただきます。
新婦の大学時代の友人です。
私の子どもがコロナに罹って、家族は濃厚接触者です。
1週間前ですので、待機期間と健康観察期間を合わせても、出席は可能なのですが、大勢が集うお慶びの席なので、控えておこうと思います。
新婦にはなんと言ったらよいでしょうか?
新郎の友人です。結婚式を3日後に控えていますが、コロナに罹りました。
コロナ事情もあって少人数婚とうかがっています。
私は友人スピーチを頼まれていますが、私が欠席すると新郎の友人がいなくて・・・。
スピーチの代役がいないので心配しています。
「ヤバッ、コロナで結婚式、欠席⁉」
本記事では、結婚式に招待された方のそんな疑問や不安に、ブライダルプロデューサー歴24年の藤田徳子がお答えします。
ブライダルプロデューサー藤田徳子
藤田徳子
(ふじたのりこ)
ブライダルプロデューサー歴24年。 直島、高松城、栗林公園などで史上初の結婚式をプロデュース。歴史的建物や文化施設で、特別感・地域特性を演出する国賓パーティーやイベントを仕掛けるユニークベニューのプロデューサー。
《藤田徳子について》
結婚式に招待されたけど、コロナにかかった!?濃厚接触者!?
結婚式まであと何日ですか?
隔離(健康観察)期間が解除されるには以下の国が定める基準があります。
(本記事掲載2022年9月20日現在)
- 発症者(症状がでた方)
発症日の翌日から7日間経過し、かつ症状軽快後24時間経過していること。 - 陽性判明した無症状者
検体採取日の翌日から7日間経過して引き続き症状がなければ療養解除。 - 濃厚接触者
最終接触日を0日として5日間の外出自粛、7日目まで健康観察が必要。
病はそれぞれに症状が異なり、重症か軽症かによりますので無理は禁物ですが、本記事では、比較的軽症で回復が早い方を前提にしたアドバイスをさせていただきます。
「結婚式まで3週間以上ある!」
隔離(待機)と健康観察期間を経て、後遺症の様子を見ながら、結婚式にはぜひとも出席できるよう健康管理に努めましょう。但し、病後は免疫力も下がっているので、いくら「コロナは治った」とはいえ、大量のアルコール摂取は控えるとか、二次会は欠席するとか、体調には十分留意しましょう。
ご高齢の方は、病後に結婚式に出席するのは負担が大きくて無理だと判断される場合には、主催者の新郎新婦に早めに相談するようにしましょう。
「結婚式まで2週間!? 2週間未満!?」
1.まずは、主催者の新郎新婦にご自身の状況を正直に伝えましょう!
- 発症者なのか? 濃厚接触者なのか?
- 症状があるのか? 無症状なのか?
- いつ発症(最終接触)したのか?
- 隔離(健康観察)期間の解除はいつか?
主催者の新郎新婦に迷惑(キャンセル料などの金銭的な負担を含む)をかける場合もあるので、状況をきちんと説明することが招待客としての誠意です。
2.「欠席しなければならない」、「なるべく出席したい」自分の意志を伝えましょう!
隔離(待機)と健康観察期間を考えて、結婚式まで1週間に満たない場合は、間違いなく「欠席」となりますから、発症(無症状で陽性の場合も含む)または濃厚接触者と判明した時点で、いち早く主催者の新郎新婦に「欠席しなければならない」旨を伝えます。
結婚式まで1週間以上あれば、隔離(待機)と健康観察期間を経て体調次第では出席できる場合もありますので、「なるべく出席したい(出席するつもり)」と、意向を伝えておく必要があります。
3.「欠席(または出席)」、返事の最終期限はいつまでか、確認しましょう!
急な欠席の場合、キャンセル料など金銭的な負担が、新郎新婦にかかることを知っておく必要があります。
また、来賓祝辞や友人スピーチ、余興や受付係など役割を受けている招待客が欠席する場合は、進行や担当の変更を、新郎新婦がやり繰りしなければなりません。
役割を担っていなくても、配席や引出物の変更など、新郎新婦がブライダル業者と相談する時間や手間がかかることも、理解しておきましょう。
いずれにしても、ホテルや結婚式場によって、キャンセル規定や変更手続きの最終期限が異なりますから、それらを確認し、新郎新婦の負担が最小限に留まるように配慮しておきましょう。
「結婚式を欠席する」と伝えたら、何をするべき?
前述の通り、急に招待客が欠席する場合、キャンセル料や変更手続きなど、新郎新婦には負担が生じます。ここでは、出席することになっていた招待客が、急遽、欠席することになった際の“気遣い”(マナー)をお伝えします。
出席する場合と同等のご祝儀を贈る
コロナを理由に欠席すると決断するタイミングは、結婚式に招待されたけど、コロナにかかった!?濃厚接触者!?で説明した通り、結婚式まで2週間に満たない場合です。
結婚式まで2週間を過ぎると、招待客が出席する予定で、あらゆるアイテムの手配や準備が完了しています。例えば、
- 配席(テーブルプラン)
- 席次表や席札の印刷
- 引出物
- 料理や飲み物
- 装花やウェディングケーキ
- 宿泊や送迎
など。
また、来賓祝辞や友人スピーチ、余興や受付係など役割を依頼されている場合は、進行や演出のシナリオも仕上がっています。
つまり、結婚式の準備は、ほぼ完成しています。この時点で欠席する場合は、出席する場合と同等のご祝儀(お祝い金)を贈るのが、主催者の新郎新婦に対する気遣い、マナーと言えるでしょう。
結婚を祝福する気持ちを伝える
金銭的な気遣いだけでなく、大事なことは「結婚を祝福する気持ち」です。結婚式当日に「おめでとう!」の気持ちを、ぜひ届けましょう。
手段としては、祝電(御祝電報)を送る、生花やバルーンなど会場が華やぐアイテムを贈る。また、最近は、アプリで写真にメッセージを入れた画像を制作できたり、スマホで簡単に動画を作ることもできたりする時代になりました。SNSのDMやLINEを使って、オンタイムに送ってあげるのと、サプライズ効果もあって喜んでもらえるかもしれません。
元気になったら、後日お祝いの席をセットしましょう
大事な友人や親しい職場仲間、かけがえのない親族の結婚です。結婚式当日に、時間と空間を共有することが叶わなければ、後日、新郎新婦ふたりをお祝いする食事会などをセットしてあげましょう。
その際、急な欠席となったお詫びの気持ちをきちんと述べることが大切です。また、新郎新婦から、結婚式当日の様子をうかがったり、結婚式の写真や動画などを見せてもらったりすると、結婚式の感動を分かち合えるかもしれません。
出席する場合と同等のご祝儀(お祝い金)を贈る、祝電や生花やバルーンなど会場が華やぐアイテム、メッセージを送る、お祝いの食事会をセットすることなどは、欠席する際、必ずしなければならない条件ではありませんが、こういう気遣いは、大人で格好いい振舞いです。
来賓祝辞、友人スピーチ、余興を頼まれている!!
どのような影響があるか!?代役を立てられるか!?
来賓祝辞や乾杯、友人スピーチや余興、挙式の立会人代表など、結婚式の進行に欠かせない重要な役割を頼まれているのに、コロナを理由に急遽欠席をせざるを得ない場合もあるはずです。その際には、まず新郎新婦と丁寧に相談することが大切です。
- 自分が欠席すると、どのような影響があるか?
- 進行や演出に大幅な変更が生じることになるのか?
- 自分一人が担っている役割なのか? One of Themなのか?
- 代役を立ててもらうことは可能か?
とても重要なことです!!
「○○さんに代わってもらったから」と代役を決めたり、「私がいないからこの進行は外して!」と演出を変更したり、決して、新郎新婦の承諾なしで招待客自身が、変更や修正を行ってはなりません。
「申し訳ないな」、「どうにかしてあげなければ」とお詫びの気持ちや親切心からの行為であったとしても、あくまでも新郎新婦が主催者で、招待客には決定権がないことを知っておきましょう。
WEB会議ツールを使ったオンライン結婚式で出席できる!?
コロナ禍以降、オンライン結婚式も一般的に行わるようになりました。当社・フェアリー・テイルでも多数の事例がありますので、参考になさってください。
但し、オンライン結婚式を実施するためには、配信元の対応が必要となりますので、新郎新婦と綿密な相談をしておきましょう。
ビデオメッセージ・音声メッセージでの対応を検討する!!
誰でも簡単に、動画や音声を収録・編集ができるようになり、スマホを使って配信まで行えます。
1.WEB会議ツール(Zoomなど)
- メリット
- リアルタイムでやり取りできる。
- デメリット
- 結婚式の現地で対応するスタッフ、送受信の機材が必要。
会場全体で視聴できるようにするためには、大型モニターやプロジェクター、音声出力の機材も必要。
2.ビデオメッセージ
- メリット
- 結婚式の最中に対応するスタッフは不要。
- デメリット
- (事前に新郎新婦に、見せたくないので)結婚式場の担当者が、その動画をクラウドサービスなどで受け取ってくれるか?(または、友人がその動画をメディアで届けるか?)
会場全体で視聴できるようにするためには、大型モニターやプロジェクター、音声出力の機材も必要。
3.音声メッセージ
- メリット
- 結婚式の最中に対応するスタッフは不要。
会場全体が視聴するための大型モニターやプロジェクターは不要。 - デメリット
- (事前に新郎新婦に、聞かせたくないので)結婚式場の担当者が、その音声をクラウドサービスなどで受け取ってくれるか?(または、友人がその音声をメディアで届けるか?)
会場全体で視聴できるようにするためには、音声出力機材が必要。
コロナで急遽な欠席者がサプライズで登場する!?
WEB会議ツールを使ったオンラインで出席する場合も、ビデオメッセージや音声メッセージを届ける場合も、いずれにしても、結婚式場の担当の方のご協力は欠かせないないですね。
招待客が、結婚式場の担当者と直接連絡をとることができ、相談事がうまく成立すれば、新郎新婦には内緒で、「サプライズで登場する」ことも叶うかもしれません。
その際、「大型モニターやプロジェクターは、元々プランに組み込まれているかどうか?」など、急な欠席者があることで、主催者の新郎新婦に追加費用が生じることがないか、確認しておく必要があります。万が一、費用が追加になる場合は、招待者自身がその費用を負担することも検討されてもよいかもしれませんね。
「コロナで欠席!」と思っていた招待客が、サプライズで登場したら、新郎新婦はさぞかし喜ばれるでしょう!残念に思っていた気持ちが一気に晴れること、間違いなし!です。
結婚式招待客がコロナで欠席する際の対応(まとめ)
- コロナに罹っても、焦らない!! 結婚式招待状を今一度チェックして、結婚式まで何日あるか確認する!!
- コロナ発症(濃厚接触者)した時点で、結婚式まで2週間に満たない場合は、新郎新婦に丁寧に事情を説明することが、招待客としてのマナー!!
- 「欠席せざるを得ない」または「なるべく出席したい」と、自分の正直な意向を伝えた上で、キャンセル規定や変更手続きの最終期限の都合、何日までなら返事を待ってもらえるか確認する!!
- 急遽欠席することになったら、出席する場合と同等のお祝いを贈る、祝電、お花、バルーンなどを結婚式当日に届ける、お祝いの食事会をセットするなど、大人で格好いいマナーです。「結婚をお祝いする」気持ちが大切!
- 来賓祝辞、友人スピーチ、余興などを頼まれている場合は、新郎新婦に相談なしで、代役を立てたり、進行を変更したりするのは、絶対にタブー!!主催者の新郎新婦の意向に沿った対応をすること!!
- WEB会議ツールを使ったオンライン形式での出席や、ビデオメッセージ・音声メッセージを送ることを検討してみる‼但し、機材費など費用が追加になる場合もあるので、新郎新婦に対する配慮が必要!!
- コロナで急遽な欠席者が、オンライン形式や、ビデオ・音声メッセージで、サプライズ登場することも可能かも⁈結婚式場の担当の方のご協力を得られることが必須条件。
- コロナ共生時代、コロナに罹ることは特別なことではありません。せっかく、結婚式に招待されたのに、急遽欠席になることは、歯がゆく感じるかもしれませんが、精一杯に「結婚をお祝いする気持ち」を伝えましょう。