【国際ウェディング・実例紹介】国際結婚カップルの日本らしい結婚式
ブライダルプロデューサー歴24年の藤田徳子です。
世界的パンデミックに見舞われたコロナ禍も落ち着き、海外から多くの外国人が渡航されるようになりました。数年ぶりに、国際ウェディングが急増しています。今後、ますますグローバル化が進み、日本でも国際結婚カップルによる結婚式が増えることは間違いありません。
母国が違うふたりの国際ウェディングだからこそ、「日本らしい」特別感や、「地域らしい」伝統文化を演出できる結婚式が求められます。
本記事では、ブライダルプロデューサー歴24年の藤田徳子が担当した、国際結婚カップルの実例(2022年秋)をご紹介します。
ブライダルプロデューサー藤田徳子
藤田徳子
(ふじたのりこ)
ブライダルプロデューサー歴24年。 直島、高松城、栗林公園などで史上初の結婚式をプロデュース。歴史的建物や文化施設で、特別感・地域特性を演出する国賓パーティーやイベントを仕掛けるユニークベニューのプロデューサー。
《藤田徳子について》
地球の反対側、とっても遠くからステキなご縁!!
☆日本人(香川県出身)の男性から問い合わせ
本当はメキシコで式を挙げようと思っていたのですが、昨年に義父(妻の父)がコロナで他界してしまい、次回の一時帰国の際に地元の高松で神前式、日本式の結婚式を挙げたいと妻と話しております。
入国規制も(配偶者ビザの件)ありますので、それを確認したいと思います。
Ps , YouTube の方、妻と楽しく拝見させていただきました。色々と勉強になりました。
☆プロデューサー藤田徳子からのお返事
結婚式は、○○さんの入国規制が解除されてからでないと実施できないことを、私も承知しています。結婚式の日程は、臨機応変に変更することも可能ですので、ご希望を言ってくださいね。
帰国日が決まったら、その日程を教えてください。帰国して高松に帰ってから、衣装選び(紋付袴、白無垢、色打掛など)が出来るように準備をしておきます。
結婚式のことで、わからないことがあれば、何でも尋ねてください。
YouTube、ご覧いただき、本当にありがとうございます。
とっても、とってもウレシイです(^^)/
おふたりの幸せな結婚式に向けて、心をこめて丁寧にお手伝いします。
新郎新婦について
新郎
日本人、メキシコ(首都メキシコシティ)在住。
10代の頃にU.S.テキサスに、U.S.国内を転々とした後、メキシコへ。
現在は、メキシコで最もステイタスのある日本料理店グループのマネージャー。
日本語はもちろん、英語もスペイン語も話す。
新婦
メキシコ人、メキシコ(首都メキシコシティ)在住。
一人っ子、両親はコロナで他界。来日経験なし。
英語もスペイン語も話すが、日本語を勉強中。
結婚式のご要望
場所
史跡高松城 玉藻公園 披雲閣
(日本らしい場所、地元・香川県高松市らしい場所)
様式
和装(紋付袴、白無垢)を着て、日本の伝統的な挙式(神前式)を挙げたい。
メキシコで洋装でのフォトは済ませたが、和装姿で日本らしいフォトを残したい。
詳細
海外在住の日本人と外国人のカップルの国際結婚式。
新郎のふるさと・日本に一時帰国する機会に、地元で結婚式を挙げたい。
家族と身近な親族のみの家族婚の予定だが、久しぶりの帰国なので、幼馴染など友人数人が結婚式参列してくれる可能性もある。
結婚式当日レポート
コロナ禍中とあり、日本に帰国する直前までハラハラドキドキしましたが、無事に、予定通りの日程で、おふたりは帰国されました。
帰国は、結婚式のちょうど1週間前のこと。予め、当方にてスケジューリングしておいた段取りで、衣装合わせ、ヘアメイクリハーサル、進行や演出の打ち合わせなどが、スムーズに進みました。
久しぶりに日本への帰国、地元への帰省ともあり、結婚式の準備ばかりでなく、お友だちやご親族との交流が出来るように、余裕を持ってスケジュールをコーディネイトしておいたことは、大変良かったようです。
国際結婚カップルの国際ウェディング(概要)
挙式会場
史跡高松城 玉藻公園 披雲閣(神前式)
食事会会場
JRクレメントホテル高松
出席者
約40人 当初のご要望は、「家族婚」で「フォトウェディング+挙式のみ」。
→【プラン変更】「フォトウェディング+挙式+食事会」プラン。
挙式にも食事会にも、多くの友人が参列。
また、ご両親のご友人も、国際ウェディングを一目見ようと玉藻公園に来園。
新郎新婦+新郎家族親族7人+友人14人+両親の友人約15人
結婚式の朝、挙式が開式される前
フェアリー・テイルがプロデュースする結婚式の当日は、いつも晴天。プロデューサー藤田は、「晴れ女」です。台風到来が心配されたこの日も、やはり、天候に恵まれました。
早朝から、史跡高松城 玉藻公園 披雲閣で、花嫁支度を開始。
花嫁は、初来日のメキシコ人。もちろん、和服を身にまとうことも、人生初めてのことです。
身支度を済ますと、「誓詞」におふたりが署名、「誓詞奉読」の練習を行い、挙式に向けた準備を整えます。
外国人の花嫁は、器用に自身の名前を筆で縦書きされました。日本人でも難しい「誓詞奉読」、日本人の新郎がリードしながらふたりで声を合わせて誓詞を読む姿は、まさに「共同作業」。大変ほほえましく感じました。
お城での挙式前に、日本庭園でフォトウェディング
挙式前のフォトウェディングは、史跡高松城跡・玉藻公園・庭内で。おふたりが希望する「日本らしいウェディングフォト」に、大名が暮らした日本庭園はぴったりです。
大人気の和船プランを、フォトウェディングにプラス。
大名と姫気分の優雅な舟遊びは、ロケーションフォトの決めカットに最適です。
2022年、約80年ぶりに復元された旧高松城の桜御門を背景に。
史跡高松城跡・玉藻公園「お城で結婚式を挙げる!」、象徴的なロケーション。
外国暮らしの長い新郎ですが、当社・フェアリー・テイルのWEBサイトでこのロケーションを見て、「日本で結婚式を挙げる!!」と決意をされたそうです。
「お城で結婚式を挙げる!」挙式は神前式で。
挙式会場となったのは、「史跡高松城跡・玉藻公園 重要文化財・披雲閣」。
挙式には、ご家族・親族のみならず、多くのご友人が参列してくれました。通常、本格的な神前式の参列者は、血縁者に限られるとされますが、当社・フェアリー・テイルがプロデュースする神前式では、親族の方以外のご参列にはオブザーバー出席として歓迎しています。
神前式の司式は、縁結びの神様として有名な「出雲大社」高松分祠の祭主によって厳かに執り行われます。
雅楽の生演奏が、史跡高松城跡・玉藻公園の庭内、重要文化財・披雲閣の館内に響き渡ります。伝統文化の邦楽演奏で、一層に「日本らしさ」が増します。
神前式の作法をひとつひとつ丁寧に行う新郎新婦。
挙式前に行ったリハーサルの成果もあり、外国人の花嫁の所作がとても美しいです。
「誓詞奉読」は、日本人の新郎がリードしましたが、ふたりが名前を読み上げる段では、外国人の花嫁も、ご自身のお名前を日本風に読みました。
時折、日本人の新郎が、外国人の花嫁を気遣う様子もあり、仲睦まじい姿でした。
指輪の交換では、ようやく花嫁に笑顔が見られました。彼の顔を正面から見て安心され、緊張がほぐれたのでしょう。
神事の後には、おふたりがご自身の言葉で誓いを述べる「瀬戸の都・高松 市民結婚式」のセレモニーを取り入れました。
挙式の後は、久しぶりに会う親族や友人と再会。
日本への帰国は数年ぶり、家族や親族が揃うことは、ずいぶん久しぶりのこと。皆さん揃って記念写真を撮影することは、晴れの日の醍醐味です。
「お城で結婚式」にふさわしい場所を選んで、親族集合写真を撮影しました。
挙式後は、史跡高松城 玉藻公園から徒歩1分にある、JRホテルクレメント高松に場所を移して、食事会。結婚記念の食事会というより、もはや同窓会!!
「数十年ぶりに再会する友人もいるから」というご要望で、ざっくばらんな宴会スタイルをセッティングさせていただきました。
外国人が日本で結婚式を挙げるこだわり
和の文化に触れる。着物を身にまとう。
フォトウエディングでは、色打掛を着用。
初めて和服に袖を通したのは、結婚式1週間前に来日し、衣装店で試着をした際のことでしたが、来日前に予め日本の衣装を下調べできていたので、迷わず古典柄の赤の色打掛をお選びに。
日本人でもなかなか難しい和装での撮影ポーズも研究されていたとか?指先まで美しい。
外国人らしさは生かしつつ、和洋の融合アレンジ。
「日本人の花嫁が和髪(かつら)にアレンジするのは美しいけど、外国人の私には似合うかどうか・・・?、少し抵抗を感じる。」と、ヘアメイクリハーサル時に、ご自身の意見を仰ってくれました。
ご自身の髪をアップに仕上げ、すこし大きめの生花(胡蝶蘭)を大胆に付けました。目鼻立ちがはっきりされたお顔立ちに、ボリュームがあるヘッド装花がお似合いです。
綿帽子を差し出した時には、「これはどういう意味があるのですか?」と綿帽子の由来を確認されるほど、日本文化に理解を深めようとされる様子が見られたメキシコ人の花嫁。
「古来の日本では、女性は素顔を見られないようにする習慣があり、その名残が綿帽子。慎ましやかな日本人女性を象徴している、婚礼にしか用いないアイテムである。」ことを伝えると、「ぜひ付けてみたい。」と。
挙式時には、生花(胡蝶蘭)をヘッド装花した洋髪に、綿帽子を付けられました。
通訳ができるアテンダーを付ける。
新郎新婦どちらかが、あまり日本語を理解できない場合、通訳ができるアテンダーを傍につけることをお勧めします。いくらパートナーが日本語を話せても、結婚式当日は、予期せず事態も想定されます。大切な結婚式をスムーズに進行するためにも、コミュニケーションは重要です。
国際結婚カップルが日本で結婚式を挙げる!(まとめ)
- 1. 日本らしい場所を選ぶ!!
- 国際結婚カップルが日本で結婚式を挙げるなら、やはり、長い歴史と高い文化性、優美かつ繊細で趣のある日本の伝統美が感じられる場所がよいでしょう!!
- 2. 事前の準備は特に重要!!
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- 海外在住のカップルの場合
来日後(日本に帰国後)、結婚式までの準備、段取りのスケジュールを組んでおく。 - 海外在住のカップル、日本に住んでいるカップルの場合
慣習やマナー、食事制限や宗教観など、しっかりと伝えておく。
- 海外在住のカップルの場合
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- 3. 豊富な経験と国際的な知識のある会場(プランナー)を選ぶ!!
- 慣習やマナー、宗教観の違いから、タブーが発生することがないようにします。
「外国人対応の経験がある会場(プランナー)かどうか?」、「結婚式当日どのようなサービス(通訳、食事、慣習など)が受けられるのか?」など、しっかりと調査しておくべきです。
- 慣習やマナー、宗教観の違いから、タブーが発生することがないようにします。
- 4. 通訳ができ、結婚式の専門知識を持ったアテンダーを付ける!!
- 神前式や和装での結婚式に限らず、日本での結婚式には、作法や慣例がたくさんあります。
日本人ならば、すんなり理解できることでも、外国人は自身の宗教観やポリシーに反して抵抗を感じることもあるでしょう。
ふたりが気まずい思いをしないためにも、通訳ができるアテンダーを付けることをおススメします。
- 神前式や和装での結婚式に限らず、日本での結婚式には、作法や慣例がたくさんあります。
- 5. アイテムのバリエーションとワンストップのサービス!!
- 民族によって、体形、肌や髪や目の色などが違い、日本人用の衣装では外国人には不向きの場合もあります。また、外国人花嫁の場合、日本人のヘアメイクとはまったく異なります。アイテム類が多く、様々なサービスを用意されていることが重要です。
- 6. 国際結婚、国際ウェディングにはマニュアルは通用しない!!
- 日本人同士の一般的な結婚式と異なり、入国ビザや配偶者ビザの関係、世界的パンデミックなど予期せぬ事態の際には、急遽予定を変更しなければならないこともあります。マニュアルにない出来事にも、親身になってくれる会場(プランナー)を選びましょう!!
- 7. 演出にも日本らしい工夫を!!
- 外国人のゲストが多い場合、日本らしい演出が好まれます。和装婚、鏡開き、雅楽生演奏などを日本らしい会場に加えることで、より一層に「おもてなし」が演出できます。
- 8. 写真はこだわりたい!!
- 国民性や個人の好みにもよりますが、シャイで控えめな日本人より、外国人は写真にこだわる傾向にあります。ポージングやロケーションなど、映えする写真を残しましょう!
史跡高松城 玉藻公園で結婚式の当日スケジュール(概要)
8:30 玉藻公園庭内、披雲閣館内にてフォトウェディング①(紋付袴&色打掛・洋髪)
9:00 和船乗船にてウェディングフォト撮影
9:30 お色直し(色打掛 → 白無垢)
10:00 披雲閣館内にてフォトウェディング②(紋付袴&白無垢・洋髪)
10:30 神前挙式リハーサル(祭主:出雲大社高松分祠 大須賀宮司)
11:00 お色直し(洋髪に綿帽子を着用)
11:30 神前挙式
12:15 親族集合写真・ご友人とスナップタイム
12:30 玉藻公園庭内にてフォトウェディング③(白無垢・洋髪・生花)
12:45 着替え、玉藻公園出発
13:30 JRクレメント高松にて 結婚記念食事会開始
15:30 全てのスケジュールをお開き
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