＜実例紹介＞結婚式の演出・面白いアイデアは地域らしさにヒントあり！（四国・香川県編）
ブライダルプロデューサー歴24年の藤田徳子です。
高松城、栗林公園、直島など四国・香川県を代表する場所で結婚式を挙げる「ふるさとウェディング」のプロデューサーが、結婚式の面白い演出をご紹介します。「ふるさとウェディング」のプロデューサーだからこそ演出できる、ご当地ならではの演出です。
ブライダルプロデューサー藤田徳子
藤田徳子
（ふじたのりこ）
ブライダルプロデューサー歴24年。 直島、高松城、栗林公園などで史上初の結婚式をプロデュース。歴史的建物や文化施設で、特別感・地域特性を演出する国賓パーティーやイベントを仕掛けるユニークベニューのプロデューサー。
《藤田徳子について》
うどん県・香川県の結婚式だから！
結婚式の面白い演出って？盛り上がる演出どうする？
披露宴の中盤、お料理も会話もしっかり楽しまれた時間になりました。司会者のアナウンスを聞いた出席者の方が、お庭に面したテラスに向かって喜んで出てこられています。今から何が始まるのでしょうか？
さて、これは何だか、もうお分かりでしょうか？
お察しがついた方は香川県人？？あるいはうどん県・香川県をよくご存知の讃岐博士？
最終工程では、ねじり鉢巻きを締めた職人さんが登場し、仕上げにかかりました。
そう！！ これは「讃岐（さぬき）うどん」なのです。
うどんは、小麦粉生地を足で踏んで「鍛える」（仕上げる）のです。とにかく小麦粉生地を踏みに踏む、とにかくこれでもか！というほど踏みこむ「足踏み工程」で、生地を鍛えるからこそ、こしのしっかりある（噛みごたえ、弾力のある）讃岐うどんが出来上がるのです。
「足踏み工程」とは、小麦粉と塩水を捏ねてできるうどん生地に対して、いろいろな方向から力を加えることによって、グルテンを「鍛える」、うどんの製造工程のことです。
香川県外からご覧の方！！
「不衛生だ。食べ物を足で踏んで作るとは何事だ！」と仰らないでください（笑）。足踏みを行ううどん生地には、強度なカバーが掛けられて、食品の衛生は保たれています。「足踏み工程」は、食品衛生法でも禁止されておらず、香川県に古くから伝わる伝統的なうどんの製造技法なのです。
言ってみれば、讃岐うどんの美味しさの秘訣は、「足踏み工程」にあると言っても過言ではありません。
結婚式で讃岐うどんの「足踏み工程」。新郎新婦どうする？
お色直しを済ませた新郎新婦の入場。
タキシード姿の新郎と、ウェディングドレス姿の新婦が、フラワーガールの先導で登場です。
出席者の皆さんが足踏みを行ったうどん生地を目の前に、新郎新婦どうする？？？
司会者から「おふたりの共同作業です！」とアナウンスが入り、BGMが流れ始めると・・・。
新郎新婦によって「うどんの足踏み」が開始されました！！
一般的な結婚式では「ふたりの共同作業」はケーキ入刀ですが・・・。
うどん県・香川県での結婚式だからこそ、特別な演出として「ふたりの共同作業」を「うどんの足踏み」としました。
結婚式の出席者は様々なお立場の方もいらっしゃり、ご当地ならでは文化や、新郎新婦の出身地の名物を取り入れる演出は、ウケること間違いなしです。
新郎新婦の共同作業の産物・讃岐うどん。このあとどうする？
新郎新婦が共同作業した「うどんの足踏み」。出席者の皆様にご協力をいただき、「讃岐うどん」が出来上がりました。スタッフが、披露宴のお開きする（終了する）までにラッピングし、うどん県・香川県ならではの「ウェディング・プチギフト」（※）の完成です。その名も「ありがとううどん」。
- ※お開きの際やテーブルラウンドのときに、ゲスト一人一人に新郎新婦が感謝の気持ちを込めて手渡すささやかなギフトのことです。
本日の結婚式のしめくくり、新郎新婦とご両親によってゲストをお見送りします。プチギフトの「ありがとううどん」を新郎新婦から出席者一人一人に手渡しします。
結婚式の面白い演出は、「本物志向」で！
讃岐（さぬき）うどん屋同様に本格的な仕込み。
結婚式の盛り上げ演出とは言え、ここはうどん県・香川県。讃岐（さぬき）うどんの有名店「ひさ枝うどん」さんに依頼して、本格的な仕込みを行っています。「うどんの足踏み」についても、実際に店舗での工程通りに結婚式の演出に取り入れて、「本物」にこだわる点が、ブライダルプロデュース・フェアリー・テイル流の演出。
讃岐うどんの有名店「ひさ枝うどん」さんのオリジナルレシピに基づく調合でできた小麦粉生地。実際に店舗で提供するうどんと同じです。1m以上ある強度なビニールカバーをかけて、足踏み工程スタンバイ完了です。
足踏み工程第一段階、軽く踏みながら馴染ませていきます。
小麦粉生地が1m以上ある大きなビニールシートいっぱいに広がったら、足踏み工程第一段階完了です。
ビニールシートいっぱいに広がった小麦粉生地を折りたたんで小さくまとめ、足踏み工程第2段階に入ります。第一段階同様に足踏みをスタート。最初は軽く踏んで馴染ませます。
小麦粉生地が、再度ビニールシートいっぱいに広がったら、足踏み行程第2段階完了です。
足踏み行程第３段階に向けて、小麦粉生地を折りたたみます。第1段階、第2段階と同じ工程を第３段階でも繰り返し、本格的な讃岐（さぬき）うどんが仕上がります。
この「うどんの足踏み」工程を、結婚式の演出として、そのまま取り入れているのです。
結婚式の演出は、「本物志向」。
この有名店のうどん作りの工程を、結婚式の演出として、出席者の協力を得ながら新郎新婦の共同作業として行うから、食べてもおいしい本物の讃岐（さぬき）うどんが仕上がります。そして、出席者の方には「ウェディング・プチギフト」として、おいしい讃岐（さぬき）うどんをお持ち帰りいただけるのです。
コロナ禍以降、結婚式の演出について見直されています。
「結婚式をする」ことが当たり前だった時代から、「結婚式をしない」ことも選択できる時代になりました。「挙式だけ」、「フォトだけ」、「親族食事会だけ」という結婚式のスタイルも登場してきた中、職場関係、友人など多くの出席者を招く披露宴を行う場合は、「盛り上がりだけの演出は要らない」、「流行やカタチだけのものは要らない」、伝統的で意味を感じられる「本物志向」にこだわる方が増えています。
結婚式の面白い演出、盛り上がる演出の成功の秘訣（まとめ）
- 1. 事前の準備、仕込みが重要！！
- 結婚式（披露宴）では、来賓祝辞や友人スピーチなど、結婚式（披露宴）に必要な進行が多数あります。余興やウケを狙った演出だけに多くの時間を割くことできません。ゆえに限られた時間内で盛り上がるためには、関係者と細かく打ち合わせを行うなど念入りに準備を整え、現場の事情や環境に即した仕込みが重要と言えます。
- 2. 出身地にまつわる演出で盛り上がる！！
- 結婚式（披露宴）には、職場の本社・本部からのご来賓、学生時代の友人など、様々な立場の方が出席されることが想定されます。故郷の素晴らしさや地元愛を再確認するご当地ネタや出身地の名物を使った演出を取り入れるのはいかがでしょう！「個性的で珍しい！」、「こんな演出見たことない！」と盛り上がること間違いなしです。
- 3. 演出費用の上手な使い方！！
- 演出は、演出限りでその場限りで消えてしまうものが多いですが、「持ち帰りができる」、「食べることができる」など、演出物品の二次活用や出席者のおもてなしにつながることも検討してみてはいかがでしょう！結婚式の演出費用を有効に使いましょう！
- 4. 結婚式の面白い演出、盛り上がる演出は、プロに依頼する！
- 結婚式当日は、新郎新婦は正装（紋付袴や白無垢・色打掛、タキシードやウェディングドレス）を着用しています。また、タイムスケジュールに沿ってお色直しや写真撮影、出席者へのおもてなしや気遣いも伴い忙しい一日です。演出は、出席者の目に触れない場所で仕込みを行い、限られた時間内でスムーズに進行する必要があります。成功させるためには、豊富な経験と専門知識を備えたプロに任せることをお勧めします。
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