ハンディキャップも、コンプレックスも、乗り越えて・・・。
「今まで25年間生きてきた中で、
私が一番輝いている時間でした。」
結婚式後、そう言ってメールをくださった、美人花嫁のよっちゃんさん。
実は、お二人で初めてフェアリー・テイルを訪れてくださった際、
接客に応じた私に、よっちゃんさんは疑心暗鬼な様子で
「結婚式に対してあまり良いイメージを持っていないんですが・・・」
「結婚式なんて自己満足のものだし・・・、
高いお金を払ってまでするなんて・・・」
と結婚式にあまり乗り気では、ありませんでした。
一方、ひろあきさんは
「よっちゃんのキレイな花嫁姿が見たいな・・・」
と嬉しそうな様子でした。
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日頃からフェアリー・テイルを訪れるお客様には
「結婚の準備はしているけど、
なんとなく "コレっ!"って思えない・・・。」
「結婚は決めたけど、
結婚式はしたくない・・・。」
と仰る方が多くいらっしゃるので、
よっちゃんさんのその時の様子に
私はさほど違和感は感じませんでした。
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フェアリー・テイルでは
初回来店でファーストカウンセリングとして
お二人のことをいろいろおうかがいします。
・お二人の出会いのきっかけ
・お仕事のこと
・お休みの過ごし方
・ご家族やご友人のこと
・ご趣味や嗜好のこと
・お二人の将来の夢
・今まで出席した結婚式のこと
・・・などなど
これらは私が興味本位でお話をうかがうのではなく、
全~部、よりお二人らしい『良い結婚式』を
プロデュースをさせていただくにあたり
参考とさせていただく大切な情報なのです(^_-)☆
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さて、よっちゃんさんと彼のひろあきさん。
ファーストカウンセリングで
彼のお仕事が「義足技師」さんだと伺いました。
私もそういうお仕事があることは知っていましたが、
実際にどのようなお仕事の内容なのかは
存じ上げませんでしたが、
熱心にご説明くださりました。
つづいて、イケメンのひろあきさんと
美人のよっちゃんさんの
出会いやお付き合いスタートについても
お話し始めてくれました。
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実は!!
ここに今回のブライダルプロデュースの
ポイントがあります☆
お二人で食事に出かけるようになってから
よっちゃんさんは、ひろあきさんに対して
以前から不思議に思っていたことを尋ねてみたそうです。
よっちゃんさんが不思議に思っていたこととは・・・。
彼に会うと、どんな時も
彼は「義足技師」である自身の仕事の話
について語ってくれる。
しかも、
いつもキラキラとした眼差しで
難しかったことも苦労したことも、
どんな仕事に対して
ワクワクしながら、楽しそうに語ってくれる。
「仕事っていうと辛くて大変なことばかりで、
他人に仕事の話をするとすれば
"愚痴"ばかり。」
と思っていたよっちゃんさんにとって、
ひろあきさんの語る話は
まるで"夢"のようだったそうです。
よっちゃんさんの疑問に
ひろあきさんは、あっさり、こう答えたそうです。
「"義足"で僕自身が元気になれ、
新しいステキな世界を手に入れたからだよ!
だから僕が作る義足で、
同じような境遇にいる人にも是非
元気になってもらいたい。
僕の仕事が他人様の役に立っていると思うと、
どんな難しい仕事でも
とっても楽しくって!!
すぐに時間が過ぎてしまうよ。」
「"義足"で僕自身が元気・・・?」
よっちゃんさんが不思議に
思っていると
ひろあきさんはさっとズボンを捲り上げて
自身の義足である右足を見せてくれました。
その瞬間に!!
よっちゃんさんは結婚を決意したそうです☆☆。
「自分の仕事が他人様の役に立つから楽しい」
と言う彼のために
私に何かできるかしら? なにかしてあげたい!
と思ったそうです。
それまではどちらかというと
何に対しても消極的だったよっちゃんさん。
ハンディキャップを背負いながらも
自分よりもイキイキと前向きに生きる彼に
よっちゃんさんの今までの価値観が
ガラリと転換されようです。
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そんなお二人に私フジタは
三國シェフのストーリーをお話ししました。
三國清三氏が料理人になったきっかけ。
三國氏は、北海道の貧しい漁師町の生まれでした。
中学を卒業後すぐに、集団就職で上京し、
住み込みで仕事をしていたそうです。
上京して間もなく、
住み込み先のおかみさんにデミグラスソースの
ハンバーグを食べさせてもらい、ものすごく感激したそうです。
貧しい漁師町で育った三國氏にとっては、
それまでは、食事は空腹を満たす行為に過ぎなかったのです。
食事に楽しみ、喜びを見出すことができることを知り
その時、料理人になることを決意したそうです。
苦労に苦労を重ねられ今では、
フレンチの巨匠と呼ばれるようになりましたが、
今でも三國シェフは、
食事は作り手の愛情が最も大事、
身近にある旬な材料が料理の基本と
考えられているそうです。
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三國シェフのお考えと
「自身の経験から義足技師の職業に就き、
自分の仕事が他人様の役に立つから楽しい」
と仰るひろあきさんのお話しを
なぞらえさせていただきながらご紹介しました。
更に・・・!!
お二人の結婚式には義足仲間たちも多数出席されるとのこと。
バリアフリーに配慮した
三國シェフの高松店 MIKUNI TAKAMATSUに隣接する
『MIKUNI HOUSE(高松市丸亀町)』
がふさわしいのではないかとご提案しました。
・・・すると、
当初あまり結婚式には乗り気じゃなかったよっちゃんさんも
「会場見学してみてもいいかな~」と仰ってくださりました。
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そして、迎えた当日。
まだ、実感がわかないけど、緊張のご様子で、
よっちゃんさんは人前式会場に向かいます。
ガラス張りの自然光でいっぱいの人前式会場。
数週間前の打合せに同席下さったお父様に
よっちゃんさんが、恥ずかしそうに
「一緒に歩くのイヤやろ?」って尋ねました。
「イヤやけど・・・。ええぞ・・・」
て、これまたお父様も恥ずかしそうに答えてくださりました。
挙式リハーサル、人前式本番と終始、笑顔のなかったお二人。
何かご不安・ご不満があるのかな~?と心配しておりましたが、
挙式後、ご友人たちに囲まれると
いつもの笑顔があふれ出しました。
互いに切磋琢磨しながら、
義足の痛みも喜びも分かち合い、励まし合う
義足のメンバーとサポートスタッフで集うサークル「アンプティーズ」。
メンバー同士は、友人を越えた兄弟のような関係で祝福してくれました。
人前式では、厳粛なムードの中で、やはり緊張されていたのですね。。。
パーティー会場に入ってからは、すっかり和やかに・・・。
乾杯の後、ゲストの皆さんとのグラス合わせには
自然体で応じていらっしゃいました。
新郎新婦もゲストの皆さんと共に食事がしたい・・・。
『レストラン ウエディング』の醍醐味ですね。
「カラオケや余興・・・友人にお願いする演出は取り入れたくない。」
「花嫁の父にも新郎からワインがサービスされました。
"お父さん、いつも以上に美味しいでしょう?"・・・」
常に前向きに生きることを教えてくれたひろあきさん。
私に生きる使命を見出してくれた彼に出会えたのも、
お父さんとお母さんのおかげです。」
お二人は最高の笑顔を記念に残すことができました。
このお二人のエピソードをご紹介するかどうか、
数か月、本当に悩みました。
彼のハンディキャップのこと、
よっちゃんさんの気持ち・・・など。
だけど・・・
是非☆☆!!
結婚する人、結婚した人、結婚してる人、結婚しない人・・・
どんな方にも
このお二人のエピソードで元気になっていただきたいと
思い、書き下ろすことにしました。
今年は奇しくもオリンピック年。
パラリンピックの話題などでハンディキャップの
アスリートについても報道が多くありましたが、
一過性の流行ネタや同情にとどまることなく、
人生を前向きに生き生きと生きる姿を
私たちも学びたい、そして励みにさせていただきたいと思い、
発信させていただくことにいたしました。
また、結婚の瞬間には、皆それぞれに悩みや不安を抱えていることを
多くの花嫁さんたちに知っていただきたいと思いました。