「男女共同参画推進シンポジウム」パネラー~『同調』じゃなくて『協調』が大事。結婚式創りも同じ。
『たかまつ男女共同参画推進シンポジウム』
(高松市および財団法人自治総合センター主催)
において、パネルディスカッションのパネラーを務めて参りました。
◆パネルディスカッション
テーマ : 「男女共同参画社会の実現をめざして」
コーディネーター
時岡 晴美 先生(香川大学教育学部教授)
パネリスト
相川 康子 先生 (NPO政策研究所専務理事)
蓮井 孝夫 先生(NPO法人 香川国際ボランティアセンター代表理事)
大西 秀人 高松市長
そして私、藤田 徳子 (㈱フェアリー・テイル代表取締役)
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私、藤田はパネラー席、右から2番目。
サンポートホールのステージでやや緊張気味(^_^;)です。
パネラーのコメントに熱心に耳を傾けてくださる参加者の皆様。
そんな参加者の皆様の様子に応えようと、
パネラーの皆様方が、更に熱が入ってしまい、
予定より相当が押し気味になりました。
大西高松市長のコメントも、行政的な画一的な説明ではなく、
市民一人一人を思う、心温かいコメントでした。
私たちパネラーのコメントを上手にまとめて時間内に収めてくださった
香川大学教授 時岡晴美先生にとても感謝しています。
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パネラーとして参加させていただいた
シンポジウムそれ自体も
大変有意義だったのですが、
シンポジウムの前に、
控室でのパネリストの皆様との気さくな会話が
私の『男女共同参画』に対する考え方に
変化をもたらせてくれました。
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主催者である高松市が、私をパネラーに選んだのは、
結婚後25歳で
『ブライダルプロデュース フェアリー・テイル』を起業し、
家事・子育て・仕事・社会活動等を
15年間両立してきた経験を
(?決してこなせているわけではありません(^_^;)
(?決してこなせているわけではありません(^_^;)
なんだか、月日だけが経過してどれもこれも中途半端です)
報告してほしい、
中小零細企業の創業経営者として、
民間企業の、特に中小零細の「男女共同参画」に対する
取組実態を報告してほしい、
とのことだったと思います。
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実際、創業のきっかけは、
自身が結婚の折にブライダル市場の消費者として
ブライダル業界に対する疑問を抱き、
また私以外にも同じような気持ちの消費者がいると、
使命感に燃えて(笑)行いました。
また一方で、結婚後、移り住んだ高松市で再就職活動をするも、
既婚女性は、家庭優先、
また妊娠出産後はすぐに退職するだろうと、
採用する会社側の懸念の様子が見てとれました。
そこで、女性が一生涯、職業を通じて社会に関係を持つには、
自身が経営者になるのがベストかもしれない、という思いも
創業の理由です。
創業はしたものの、15年前は、
今のように女性の起業を支援したり、促進する社会の風潮もなく、
また、友人もいない高松で、
25歳で創業者となった私は、人知れず心細く感じておりました。
そんな折、メディアで私のことを知った同世代の女性たちから、
当社への就職希望の問い合わせが多数ありました。
「こんな創業間もない、不安定な会社へ就職希望?!!」と
正直驚きました。
皆一様に
「男性中心の今の会社で
自分が役に立っているのか疑問だ。」
「もっと自分の能力を試してみたい。」
「25歳の起業に同じ女性として元気つけられた。」
と言います。
しかし、数年経つとそんな優秀なスタッフたちを、
結婚や出産、子育てをきっかけに多数失ってしまい、
とても残念な思いをしてきました。
「子育てをする母親が働くのは・・・?」とか
「家事や育児は妻がするもの・・・?」など、
社会通念に押し切られたスタッフもいました。
また、病気になった子どもを預けるところが無いとか、
両親が病気になったなどと、
さまざまな制度が整っているように見える現在も、
なかなか女性が働く条件が整わないのも事実です。
折角、男女平等に高等な教育を受け、
高度な資格を取得しても、
その知識や経験を十分に生かす期間はとても短く、
社会から引退をする女性の就労の実態が、
残念でなりません。
一方で、女性スタッフからしてみれば、
社会通念や周囲の反対に逆らってまで、
働くことを強く希望していないのも事実かもしれません。
フェアリー・テイルのスタッフは女性ばかりです。
ブライダルプロデュースという業種柄、
商品企画や営業、また結婚式の現場でのサービスなどの場面で、
女性の視点や価値観が欠かせません。
その上、女性ならではの感性やきめ細かい心配りが最大のサービスです。
フェアリー・テイルのお客様のためにも、
女性特有の能力を発揮できる、
女性特有の能力を発揮できる、
女性が働きやすい職場の環境作りを目指しています。
例えば、結婚で県外に移住したり、
子どもがまだ小さく出勤できないスタッフには在宅勤務をお願いしています。
パソコンでできるデータ入力やデザイン制作などに携わってもらいました。
バリバリ第一線で営業職に就いていたスタッフでも
結婚、妊娠、出産・・・とその時その時のライフスタイルに合わせて
勤務日数を減らしたり、勤務時間を短縮したり、フレックス制にしたり、と、
勤務条件を一緒に生み出したこともあります。
普段は出社勤務をするスタッフでも、
子どもの入園入学の準備などでしばらくの期間、
出社できない際には、イレギュラーな休暇を認めています。
午前の3時間だけ出勤できる人、
家事を終えて午後だけ出勤できる人が、
同じ仕事をシェアしてもらう場合もあります。
或いは、常勤スタイルでなく、
家事や育児の空いた時間だけ、
社会と関わりたいたいという人には内職というスタイルで
仕事が発生した際だけお願いすることもあります。
子育て中のママスタッフは、
お子さんを連れての出勤も認めています。
一方で、社会一般的にみれば、男女共同参画を推進する上での課題は
たくさんあります。
社会に出る前の学生たちに講義をすることがありますが、
女子学生たちに「将来、何になりたいか?」と尋ねると、
最近は「専業主婦」、「お嫁さん」などの答えが目立つようになりました。
学生は仕事に対して「夢」が膨らみ、
憧れの職業を「目標」にしているのかと思っていたのですが、
ところが、職業意識、労働意欲の低さを感じます。
彼女たちに「なぜか?」と尋ねると、
「どうせ就職しても結婚したら辞めなきゃいけないから」、
「がむしゃらに働いても女性には仕事の保証されていないから」などの、
答えが返ってきます。
こういった若者たちの傾向は、
社会で働く我々大人たちが原因であるかも知れません。
女性が働き、社会で認めてもらうのは難しいことだという
社会通念が、若者たちが抱く夢を邪魔しているように思えます。
一方で、
ある程度、キャリアを重ねた女性にも仕事を続ける上で
ハードルが立ちはだかります。
私自身の経験ですが、二人目の子どもを出産後、
ホルモンのバランスを崩し、
精神的に不安定になる「産後鬱症」にかかりました。
女性特有の病で、なかなか理解されず、
病気を隠し長引き、大変悩んだ覚えがあります。
私と同じように、ある程度のキャリアを積み、
男性同様に責任を担う立場にある女性リーダーともなれば、
ましてや会社に雇われる立場にあれば、
男性の手前、女性特有の体調不良を訴えることもできず
悩んでいらっしゃる方も多いとうかがいました。
日本では、まだまだこういったケアがなされていないように感じます。
欧米では、産前産後や中高年期の女性特有の病気に対して、
社会や企業の理解度が高いと聞きました。
私は、アメリカで、
医者・弁護士・会計士・教師・企業のオーナーなど
様々な職種で活躍する女性リーダーたちの
悩みや課題を考えるグループに出会いました。
グループのディスカッションには
男性の参加者も交じり意見交換をしていました。
そのグループの趣旨はこういうことです。
自分たちの悩みや困りごとは、
女性の代表として自分たちが率先して解決していかなければ、
次の世代が「働くことに夢を見いだせない」と。
つまり、次世代のロールモデル作りが大事だということです。
日本でも、学ぶべき姿勢だと思いました。
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斯く斯く、私の経験談を述べましたが、
実は、このシンポジウムに臨むまでは私の持論はこうでした。↓
私自身、『男性』か『女性』か、
性別による格差も差別を感じたことがない。
『男女』差別はダメだけど、『男女』区別は必要だ。
社会では『男性』か『女性』か、という議論以前に、
頑張る人は、頑張るし、頑張らない人は、頑張らない。
「自分で何とかしよう」と思ったら、
環境や与えられた条件でもなく
どうにかなる。
「結果平等的」な発想では、悪循環。
制度や体制整備も重要だけど、
「社会に生きる」ことについて
考え方や理解の醸成を図ろう。
(ex.一人一人が税金で暮らしていることに責任を持ち、
"世間"が半径3メートル以内にならないように。)
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シンポジウム前の控室で、
シンポジウムの発言内容の打ち合わせとして
こんなそんなの経験論と持論を話しておりました。
そうしたら、こんなことを教わりました。
「藤田さんは、きっと生まれ育った環境が
男女共同参画的考えを醸成するには
恵まれていたんでしょうね。(^_-)
だから、地で男女共同参画をなさっている。
男女共同参画が、理論でなく体に付いているのよ。(^_-)
ステキな性格よ☆
あなた自身のことは、十分確立できている。
だけど、社会にはいろんな方がいて、
頑張りたいけど、頑張れない、
やりたいけど、どうしてよいか分からない、
自分じゃどうしようもない、
そんな方も多くいるの。
そんな方には、
制度や条件を整えてあげなければチャンスはこないの。(^_-)
つまり・・・『社会』として
『男女共同参画社会』つくりを進めるには、すべての人に
チャンスが与えられること。」
そして、このような話も教わりました。
「不条理な苦痛を誰もが感じない社会・・・これが人権が擁護された社会」
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諸先生方の、議論の仕方のうまさにただただ頭が下がりました。
ふむふむ・・・ナルホド☆
私の中に『協調』が生まれました。
自分とはまったく異なる意見が述べられても
『協調』なんです。
刺激し合あえば合うほど、お互いにどんどん話が深くなる。
今まで私にはなかった価値観も芽生え、
「ここはやっぱり違うな」
「ここは改心だ」
と相手との議論に楽しさが生まれてきます。
そこに居合わせた人たちの考え方は異なっていても
根底にはみな同じ
「社会を良くしたい」という思いが存在するからなんですね。
有意義な議論ってこういうことですね☆
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『男女共同参画社会つくり』
まだまだ奥が深そうで、私の持論はまとまりません。
ちょっとまじめに勉強してみようと思います。
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そうか☆
ブライダルプロデュース(結婚式のプランニング)
も同じです。
お客様が、
私たちフェアリー・テイルの考え方(プラン)に
すべて「同調」していただく必要はないのです。
お客様の要望をぶつけてください。
私たちは、プロです。
難しい課題、要望があればあるほど、
燃えて、楽しく♪なっちゃいます。
議論が楽しく♪なれば、
必然的に☆良い☆結婚式が生まれてきます。
※モチロン、最低限、私たちに人としての魅力があるかないか?
が最大の焦点だと思いますが・・・。
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今回のシンポジウムでは、
ご一緒させていただいたパネリストの先生方に
恵まれました。
人間的に魅力的な方ばかりで、たくさんのことを
教わりました。
本当にありがとうございました。