讃岐(香川県)の婚礼 風習③ 「とり魚(とり さかな)」
讃岐(香川県)には、地域特有に
古くから伝わる婚礼の風習があります。
今回はそのひとつ 「とり魚(とり さかな)」
をご紹介します。
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【讃岐(香川県)の婚礼 風習】シリーズ
も是非ご覧ください。
今も、讃岐では、このように儀式を重んじる風習が
数多く残っています。
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「とり魚(とり さかな)」は
讃岐地方で結婚式で披露される「鯛そうめん」を使った
慶びを表現するセレモニーです。
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「とり魚」で使われる「鯛そうめん」ですが。
瀬戸内海沿岸の広い地域に伝わる郷土料理です。
鯛1尾を姿焼きにしたものを茹でた素麺と一緒に大皿へと盛りつけ、
鯛の身をほぐしてつけ汁もしくはかけ汁に合わせて食べます。
※讃岐地方では姿焼きにしますが、
他の地域では姿煮にする場合もあります。
姿煮の場合は、煮汁を混ぜてつけ汁やかけ汁を作ります。
鯛を使った見栄えのする縁起物の料理のため、
結婚式はもちろん、新家の棟上げ式や、年祝い
などでふるまわれます。
もともとは豪華な家庭料理でしたが、
今日では料理店やホテルのパーティ料理で見ることが多くなりました。
特に 結婚式では「鯛麺」を「たいめん(対面)」と読み
「両家が目出度く対面したのを祝う」と言う意味を込められます。
また、おめでたいことが長く続くようにとの願いを込め、
茹でた素麺を舟形の器に敷いて飾られます。
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讃岐(香川県)特有のセレモニー
「とり魚(とり さかな)」。
「鯛そうめん」が飾られた舟盛りを
大きく振りながら
披露宴会場の通路を讃岐道中に見立て、
讃岐伊勢音頭に合わせて練り歩きます。
「振れば振るほど福が増す」という言い伝えがあります。
「とり魚(とり さかな)」の
鯛は新郎(夫)、そうめんは新婦(妻)を表します。
そうめんは海の波(=妻)、
鯛(=夫)がどんな時も元気いっぱい泳げるように
幾久しく支え続けます・・・という意味合いもあるようです。
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ブライダルプロデューサーの仕事を始めた頃、
讃岐(香川県)地方特有の古くからの婚礼の風習が
現代にも大事に受け継がれていることに
感心しました。
ところが、
これだけ素晴らしい風習が数多く残っていても、
ほとんどが口伝えだけで受け継がれ、
文献などの文字情報として
集約されているものは見当たりませんでした。
私自身も、創業時、経験が乏しかった頃は
地域の年配者や婚礼業界の重鎮の方々に
教えを乞うて歩いたこともありました。
またカップル様のご両親様や祖父母様に
教えていただいたことも、
知識と経験として積み重ねてくることができました。
地域に伝わる風習やしきたりは、
とても大切な地域の文化財産です。
しかし、このまま口伝での文化の継承には限界があります。
ある一時、継承することを止めてしまったら、
次の時代には立ち消えてしまうのです。
讃岐(香川県)地方が誇る文化財産を
次の時代へつなぐお手伝いが出来ればと思い、
こうして少しづつ文章にまとめることを始めました。
と同時に、
西洋化・簡略化が進む結婚式を始めとする儀礼において、
古くからの風習が忘れられがちです。
そこで、ちょっとおこがましいかもしれませんが。
フェアリー・テイルでは、
【讃岐(香川県)の婚礼 風習】の復興を少しづつ始めてみました。
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京都在住の三好様ご夫妻。
香川県ご出身のお二人は、高校時代の部活の先輩後輩。
・金毘羅さんでの挙式
・親族だけのお披露目会
・白い花嫁振袖
が当初から御希望でした。
わずか1か月という短期間でのプランニング期間でしたが、
とても充実した一日になったと喜んでくださりました。
次回、私が京都を訪れた際には
お会いすることを約束しています(^_-)
絶対☆ぜったい☆
部活のようなご夫婦でいてくださいね。
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フェアリー・テイルの
【讃岐(香川県)の婚礼 風習】シリーズ
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※尚、これらは、私藤田が、独自に集めた情報です。
讃岐(香川県)内でも、地域によって異なる場合もあります。
どうかご容赦くださいませ。
また私の及ばない情報もあるかと思います。
皆様からもご教示いただきたいと思います。
どうぞお寄せください。
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