【MICE/国賓パーティー/ユニークベニュー】(一社)四国華僑華人連合会 様「中華人民共和国 孔絃佑大使 歓迎レセプション」プロデュース(企画・準備編)
中華人民共和国 駐日本国大使館 孔鉉佑大使ご夫妻、駐大阪総領事館 薛剣総領事を含むご一行様を歓迎するレセプションをプロデュースさせていただきました。
外国賓客を迎えるパーティーの裏側
外国の賓客を迎えるプロジェクトはいつから準備する?
要人のご予定はいつ決まるか分からない、今回は約1週間前。
当社では、過去にG7サミット情報通信大臣会合、外務省主催各国大使昼食会…等、外国要人を迎える国際儀礼(プロトコール)を踏まえた行事を対応した経験がありますが、G7サミットのような公式プログラムは、かなり早くからプロジェクトが進みます。一方、会議や表敬などは、案外直前に決まるもので1~2カ月前、場合によってはそれより短いことも少なくありません。
今回、中華人民共和国 孔絃佑大使が四国を来訪されると決まったのは、約10日前のこと、歓迎レセプションのプロジェクトが開始したのは、1週間前のことでした。そんな短期間でも、要人の安全を第一に考えて、さらに賓客を迎える極上のおもてなしを用意する必要があります。
賓客をもてなす極上のパーティー、最も重要なこと。
国内外問わず賓客をもてなすとなると、料理や飲み物、装飾や装花、アトラクションや演出など、様々な分野に趣向を凝らします。
最も重要なことは、警備・警護体制です。警備・警護の観点からすると、会場選びは最重要課題です。
また、賓客、要人が出席する会を企画・運営する立場の当社が、警備・警護を担当する各機関と連携でき、協力関係にあることはとても重要なことで、当社では、G7サミット情報通信大臣会合、外務省主催各国大使昼食会などの経験を踏まえ、警備・警護を担当する各機関への提出書類の作成から、プロジェクトを始動するようにしています。
今回のレセプションで、会場としたのは、G7サミットも開催された「特別名勝 栗林公園 商工奨励館(讃岐迎賓館)」。栗林公園の閉門後、栗林公園と商工奨励館(讃岐迎賓館)を貸し切りすることができるため、要人が出席する会には最適の会場と言えます。さらに、文化財庭園である栗林公園と、歴史的建造物である商工奨励館(讃岐迎賓館)の貸し切りは、外国の賓客をおもてなしする『最高の演出』となります。
国賓パーティーをプロデュースする裏側
「中華人民共和国 孔絃佑大使 歓迎レセプション」の会場となった「栗林公園 商工奨励館(讃岐迎賓館)」は、香川県を代表する“ユニークベニュー”として、国内外からの賓客を出迎えています。
“ユニークベニュー”は、歴史的建造物や文化施設などで、会議やレセプションを開催することで特別感や地域特性を演出でき、サプライズの演出効果は大きいのですが、イベント、レセプション、コンベンション目的の専用施設ではないだけに、不便さも多分にあります。そこで、当社のようなユニークベニューを活用するプロデューサーが必要とされるのです。
「中華人民共和国 孔絃佑大使 歓迎レセプション」で、ユニークベニューの専門家、MICEのプロデューサーとして作成した企画書の一部を公開させていただきます。
会場のレイアウト・配席図
出席者のおおよその人数、会の進行やアトラクションの概要が決まった段階で、まずは会場のレイアウトを作成します。
- アトラクションに使用できるスペースの広さは、どのくらい確保できるか?
- 装飾を必要とする場所はどこか?
- どの程度の華やかな装飾が、会の趣旨に見合って必要とされるか?いるか?
- 出席者同士の配席の間隔は、会の趣旨に適しているか?
- 警護スタッフの立ち位置、サービススタッフの導線は、出席者の交流の妨げにならないか?
- マスコミ報道関係者が入る場合、プレススペースが確保できているか?
…など初期段階で、十分に検証しておきます。
出席者の導線、要人の導線
今回のレセプションの会場となった「栗林公園 商工奨励館(讃岐迎賓館)」は、明治32年に帝室技芸員・伊藤平左衛門氏によって建築された文化財建造物です。正面から見ると左右対称、回廊で結ばれた4棟の建物の間には中庭があります。
このように建築としてのビジュアルも見事で見応えがあるだけに、来賓の登場シーンや、開場時の出席者の入場導線などに趣向を凝らすことで、特別感やサプライズ感を演出することが出来ます。
一方、要人の導線は、警備・警護の面で非常に重要で、特別感やサプライズ感を尊重しすぎることで警備に盲点が生じないよう関係者を交えて、早めに協議をする必要があります。
会の趣旨に応じた装飾・設営
パーティーや式典などの会のタイトルを記す吊り看板(横看板)は、白地に黒文字が一般的ですが、中華系の来賓を招く今回のレセプションでは、赤地に白文字がご指定でした。これは日本の会では特殊なことです。
また、当初、華やかなレセプションということで、当社よりゴールドのテーブルクロスをご提案させていただきましたが、中華系の方は、赤を「福を招く最高におめでたい色」とされることから、赤がテーマカラーになるように白いクロスに赤の帯をセッティングすることになりました。当社から、赤の帯の一部に和風の帯を取り混ぜ、日中友好の証を表現することをご提案させていただきました。
これらは、会場装飾プランをご提示することで、会の主催者の方と細かく意思疎通を図ることができます。事前に主催者と十分にイメージを共有しておくことが重要です。
知識や情報を関係者全員で共有する。
レセプションの開催時期が、ちょうど中国の旧正月の春節にあたったことから、おめでたい雰囲気を演出できるよう、装飾に中国の慶事で用いられる「中国提灯」や「中国結び」を取り入れました。
乾杯酒は、中国酒「白酒」(バイジュウ)。中国では、広い地域でポピュラーですが、日本ではまだまだ馴染みのない中国酒です。
料理は、中華料理と和食の折衷料理。テーブルの中央に大皿料理を置く従来の中華料理のスタイルではなく、各料理を西洋風に美しく盛り付け、コース料理のように提供する「nouvelle chinois(ヌーベルシノワ)」としました。
大きな会の企画・運営、設営・準備には、多くのスタッフや関係者が関わりますが、特殊なアイテムの取り扱いが分からず当日の設営や準備に支障が生じないよう、また出席者から質問された際に適切な回答ができるよう、プロデューサーの当社が、事前に知識と情報を取りまとめ、関係者全員で共有するようにしています。
観光立国・日本の新しい国際儀礼のカタチ
日本らしさや地方の魅力を最大限に。
観光立国として新しい時代を歩む日本で、今後、外国の要人や賓客が集い、国際儀礼が求められるシーンは、首都圏や都会だけで開催される特別なことではなく、地方でも多くあることが予想されます。
「外国人との交流」となると、少々臆してしまいがちですが、まずはいつも通りの「ワクワク」や「ドキドキ」を追求してはいかがでしょうか?外国の要人や賓客を迎えるには、習慣や風習など国際儀礼(プロトコール)を重んじることももちろん大切ですが、日本らしさやその地方の魅力(四国であれば四国らしさ、香川県であれば讃岐らしさ)を、精一杯に表現することを第一に考えてはいかがでしょうか?
特に、外国の要人や賓客の方は、世界の一流、最高級をよくご存知だからこそ、どこに行って“画一的な一流”より、一人の人として「楽しかった!」、「印象的だ!」、「この地方のことをよく知れた!」と胸に刻んでいただきたいものです。
日本の真心が届けられたら、最高のおもてなしとなるに違いありません。
地元の高校生による書道パフォーマンス。熱演に感激した駐日大使が高校生のもとに駆け寄るという幸せなハプニングも。
讃岐うどん職人による手打ちうどんパフォーマンス。うどん職人に促され、急遽、大使自ら、上着を脱ぎ、タオル鉢巻を締めて、うどんを打つことに。ご自身で打ったうどんは、その場で召し上がられました。
■クライアント/一般社団法人 四国華僑華人連合会 様
■事業名/中華人民共和国 孔絃佑大使 歓迎レセプション
■トータルプロデュース/プロデューサー 藤田徳子(株式会社フェアリー・テイル)
■事業内容/
・総合企画・運営(コンセプト設定、企画書および進行台本作成)
・料理プロデュース(料理人のアサイン、献立メニューの設定、食材の選定など)
・アトラクションプロデュース(パフォーマーのアサイン、演出進行など)
・設営プラン制作(サイン計画、配席テーブルコーディネイト図面制作など)
・装飾プラン制作(フラワーコーディネート、席札・メニュー表デザインなど)
・警備計画の補助(館内レイアウト作図、園内導線作図、香川県警察提出書類作成)
・栗林公園対応、行政対応
・テクニカルスタッフのコーディネイト(照明、音響、司会、設営)
■CAST・PERFORMER/
・書道パフォーマンス(香川県立高松西高等学校 書道部の皆さん)※特別出演
・讃岐うどんパフォーマンス(久枝うどん 店主 久枝了)
・中国獅子舞(神戸華僑總會 舞獅隊)
■協力/
・警備(警視庁、香川県警察)
・会場(香川県、栗林公園観光事務所)